インターネットの交流サイトやゲームなどに過度に夢中になる、いわゆる「ネット依存」とみられる利用者は、男性より女性のほうが多いことや、ネットを通じた人間関係を負担に感じる人の多いことが、東京大学の研究グループの調査で分かりました。
調査は、東京大学の研究グループが総務省の委託を受けて、去年9月から、携帯電話を使った交流サービスやゲームサービスなどの利用者およそ6万4000人を対象に利用状況や影響を尋ねました。その結果、ネットの利用をやめると精神的に不安定になるなど、いわゆる「ネット依存」とみられる利用者の割合は、パソコンのオンラインゲームでは15%、携帯電話の交流サイトで11%、携帯電話のゲームサイトで6%でした。「ネット依存」の人の割合は、いずれのサービスでも女性のほうが高く、このうち携帯電話のゲームサイトでは女性は9%で男性より6ポイント高くなっていました。また、交流サイトの利用者で依存症とみられる人に、利用の負担について尋ねたところ、「ネットを通じた人間関係」という答えが最も多く、52%でした。ネット依存に関する大規模な公的調査は初めてで、東京大学大学院情報学環の橋元良明教授は、「女性は男性より心情をネットに書き込むことが好きな一方、ネットの人間関係を気にしやすい傾向があるため、過度に没頭してしまうのではないか」と分析しています。