高速道新料金:「実質値上げ」に反対噴出 民主部門会議

2010年12月7日 21時22分 更新:12月8日 1時3分

 民主党は7日、国土交通省が検討している高速道路の新しい料金制度案について国土交通部門会議で議論を始めた。普通車で現行の「休日上限1000円」が「曜日を問わず上限2000円」などとする国交省案に対し、出席議員からは「実質的な料金引き上げだ」との反対論が続出。来年4月の新料金制度移行を目指す政府は、月内に新料金制度をまとめたい考えだが、党内調整は難航しそうだ。【三沢耕平】

 「利用者が現に払っている料金を、改正後に上回ることがあってはいけない」。会議の終盤、川内博史衆院議員が国交省案に異論を唱えると、出席議員から大きな拍手がわき起こった。

 今年4月、前原誠司国交相(当時)は、高速料金の割引財源の一部を道路建設に転用する内容の「道路財政特別措置法改正案」とともに、料金に上限を設ける新制度案を発表。しかし、時間帯割引など現行割引制度の廃止が前提のため、参院選への影響を懸念する民主党議員から「実質値上げだ」との批判が噴出。計画していた6月実施が見送られた経緯がある。同法案を審議する衆院国土交通委員会の委員長として、前原案を公然と批判したのが川内氏だった。

 会議には新たな国交省案の詳細は提示されなかったが、水面下で調整している内容は、前原案の骨格を踏襲。曜日に関係なく普通車2000円、軽自動車1000円などの上限価格を設けた上で、中・大型車などは走行距離に応じた料金とする。改正案が廃案となり、財源を道路建設に転用する必要がなくなったため、通勤時間帯5割引きやトラック業者向けの大口割引は継続する方針だ。

 しかし、自民党政権下で導入した「休日上限1000円」が来年3月末に終了すれば、東日本、中日本、西日本の高速3社で2000億円規模の割引財源がなくなり、休日に高速を利用することが多いドライバーにとっては負担増となる。このため会議では「党は高速無料化を約束している」「なぜ自民党政権より高くなるのか」など、マニフェスト(政権公約)の看板である「高速原則無料化」との整合性を問う声が続出した。同党の衆参約190人が所属するトラック議員連盟も7日、トラック業者向けの大口割引拡大や上限制反対を訴える提言を提出。高速道路政策の一貫性のなさをさらけ出した形だ。

 しかし、財源の制約がある中、新たな国交省案以上の割引は極めて難しい。部門会議の室井邦彦副座長は会議後の会見で「各議員の思いは理解できるが、最終的には財源(問題)に行き着く」と説明。民主党は9日に再度、部門会議を開いて意見集約を急ぐ。

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