2010年12月7日 9時48分 更新:12月7日 9時57分
今年5月に打ち上げられた金星探査機「あかつき」が7日、約5億キロの旅を終え、地球の隣の惑星、金星に達した。あかつきは午前8時49分から自動制御プログラムに従い、減速のためのエンジン逆噴射を開始した。軌道投入の成否が確定するのは7日夜の見通し。成功すれば、日本初の惑星探査機として、謎の多い金星の気象観測を始める。
日本は98年に、火星探査機「のぞみ」を打ち上げたが、火星の軌道投入に失敗、探査にはいたらなかった。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、逆噴射後間もなく、地球から見て金星の裏側に入ったため通信が途絶えた。
あかつきは打ち上げ以降、金星を追いかける形で航行してきたが、金星観測の周回軌道に入るには速度を落とさなければならない。減速する逆噴射のタイミングは一度きり。あかつきの管制室がある相模原市のJAXA宇宙科学研究所では、通信でエンジン逆噴射が確認されると、管制室に集まった研究者らから拍手が起きた。
金星に探査機を送るのは、米国、旧ソ連、欧州に続いて日本が4番目。61年のベネラ1号(旧ソ連、失敗)以来28機目となる。【山田大輔】