ソマリア海賊:石船長、再び昏睡状態に

 ソマリアの海賊に乗っ取られ、1月21日に韓国海軍の「アデン湾黎明(れいめい)作戦」により救出された化学物質運搬船「サムホジュエリー号」の石海均(ソク・ヘギュン)船長(58)は、旧正月に当たる3日に一時意識を取り戻したが、翌4日未明に突然呼吸困難に陥り、人工呼吸器を付けたまま昏睡(こんすい)状態で治療を受けている。

 京畿道水原市の亜州大学病院で治療中の石船長は3日午前8時32分、人工呼吸器と気管内チューブを外した後、目を開け意識を取り戻した。柳熙碩(ユ・ヒソク)亜州大学病院長が集中治療室(ICU)の壁に張ってある「石海均船長、ここは韓国です」というプラカードを指し示し、「ここがどこか分かりますか」と尋ねると、石船長は笑顔を見せた。さらに「どうして笑ったのですか」と柳院長が聞くと、石船長は「うれしくて…」と返答した。石船長は医療スタッフが病室に張った韓国海軍のマークを見て、「わたしも海軍」と言うなど、冗談まで口にした。

 ところが、石船長は意識を取り戻してから18時間後の4日午前2時30分から急性呼吸不全の症状を見せたため、医療陣は同3時20分ごろ気管内チューブを口と鼻に再び挿入、人工呼吸器を装着した。医療陣は石船長のけがが重く、骨折などでひどい痛みがある上、肺浮腫の悪化、軽い肺炎の併発などにより、急性呼吸不全に陥ったものと見ている。

 だが、医療陣は「石船長の症状は重度の外傷を負った患者によく見られるもので、さらに悪化することはないだろう」と話す。現在、石船長の血圧・脈拍・体温・尿の量・血小板の数値などは安定しているとのことだ。病院側は来週から行うことにしていた整形外科手術を2-3週間延期し、心肺・臓器機能を確認した上で手術日をあらためて決めることにした。

水原=梁煕東(ヤン・ヒドン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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