ホーム > 相撲 > 相撲最新紙面記事

春場所はガチで中止!長期化なら夏も?

 多数の観客が詰めかけた昨年の大阪場所
【拡大写真はコチラ】
 多数の観客が詰めかけた昨年の大阪場所

 八百長メール問題に揺れる日本相撲協会が、春場所(3月13日初日・大阪府立体育会館)を中止する方針を固めたことが5日、協会関係者の話で明らかになった。疑惑のある親方、力士への調査が長期化する点や、社会問題に発展した影響を考慮したもので、6日の臨時理事会で正式決定する。中止となれば1946年夏場所以来で、不祥事による中止は初。さらに一部の協会幹部からは、5月の夏場所(両国国技館)開催を危ぶむ声も出始めており、角界はかつてない非常事態を迎えた。

  ◇  ◇

 日本相撲協会は、ついに大相撲の根幹である「本場所」を中止にする方針を固めた。2日に発覚した八百長疑惑という前代未聞の不祥事は、深刻さを増すばかり。疑惑を持たれた14人もの親方、力士に対する特別調査委員会の調査は長期化が必至で、角界の枠を超えた社会問題となっていることも決め手となった。

 中止となれば、入場料など十数億円と予想される本場所収入も失うことになる。「われわれはお客さんあってのものだ」と放駒理事長(元大関魁傑)は話していたが、土俵という“神聖な”場所でファンを欺いたつけが回ってきた格好だ。

 協会は2日に開いた緊急理事会で一度は春場所開催の方向を確認。しかし疑惑の調査が終了しないまま開催するのは困難との意見が複数の理事から相次いだ。4日には放駒理事長と春場所担当部長の北の湖理事(元横綱)らが協議し、6日のチケット販売開始延期を発表していた。

 特別調査委員会によると、疑惑対象者への1回目の聴取で、整合性が取れない供述が出てきた。7日からは全関取を対象に、特別調査委が聞き取りを開始。6日の臨時理事会で開催を決めても、その後新たな関与者が出る可能性はあり、放駒理事長は「そんなぶざまな話になってはいけない」と警戒感を強めた。

 所管の文部科学省は「八百長の広がりも問題だが、それよりも相撲協会が公益法人としてどんな善後策を打ち出すのかが大事だ」と警告。公益財団法人認定を目指す協会の執行部は、泥沼化でさらに信用を失う危険を防ぎ、生命線の本場所を中止しても真相解明に本腰を入れるという姿勢を強調することを決めた。

 6日の臨時理事会の後には、除名処分を下すのに必要な評議員会も予定されており、八百長行為を認めた竹縄親方(元幕内春日錦)、十両千代白鵬、三段目恵那司の3人を、賞罰規定で最も重く、過去に適用されたことがない除名処分とすることが濃厚となった。関与が決定的とみられる十両清瀬海にも解雇以上の処分が検討されている。

 協会は日がたつにつれて“根の深い”問題を徹底解明する困難さを痛感している。理事の1人は「こんな状況で場所を開けば混乱を招くだけで、各方面に迷惑がかかる。特別調査委の調査次第では5月の夏場所も微妙だと思う」と話した。

 特別調査委員会の伊藤滋座長は今後の調査継続を明言。本場所の日程も「関係ない。重視していない」とした。国技・大相撲は春場所の中止だけにとどまらず、本場所再開のメドさえ立たない大ピンチに陥る可能性もある。

(2011年2月6日)

ソーシャルブックマーク・RSS・twitter・Facebook

【特集コンテンツ】

大相撲優勝力士/

オススメ相撲写真ニュース






Copyright(C) 2010 デイリースポーツ/神戸新聞社 All Rights Reserved.
ホームページに掲載の記事、写真などの無断転載、加工しての使用などは一切禁止します。ご注意下さい。
当サイトは「Microsoft Internet Explorer 4.x」「Netscape Navigator/Communicator 6.x」以上を推奨しています
Email : dsmaster@daily.co.jp