枝野幸男官房長官兼沖縄担当相の来県は、沖縄の基地と振興策のリンク論に関する考え方で、菅内閣の閣僚間の不一致を際立たせた。リンクを否定する菅直人首相と明らかに異なる認識を示した北沢俊美防衛相の発言を、枝野氏は報道側の「誤解」と転嫁し、発言内容さえも確認しないまま、報道側の姿勢に注文を付ける始末。政府方針に逸脱した他の閣僚の不規則発言を戒め、閣内不一致を防ぐべき官房長官としての適性に疑問符を付ける結果となった。
北沢氏は20日の全面公開で行われた仲井真弘多知事との会談で、菅首相や前原誠司外相、馬淵澄夫前沖縄担当相がいずれも来県時に否定したリンク論をちらつかせた。さらに米軍嘉手納飛行場所属のF15戦闘機一部訓練移転の実施についても、北沢氏は記者会見で「日米合意実現のために沖縄の理解を得る。それは沖縄の振興策もあるし、基地負担軽減という道もある。全部含めて総合的にやっていく」と述べ、米軍普天間飛行場の名護市辺野古崎移設の進展との関連付けを示唆した。
一方、枝野氏は21日の仲井真知事らとの会談後、記者団に、F15一部訓練移転と辺野古移設の関連性について「訓練移転と普天間の移設は直接つながるものではない」と述べ、前日の北沢発言をあっさり否定。22日の帰任前には、閣内不一致とも取れる北沢氏の一連の発言への認識を記者団に問われると「どなたもそういうことはおっしゃってない」などと言ってのけ、しらを切った。
一連の北沢発言は、振興策と基地負担軽減策で辺野古移設受け入れを迫りたいという菅内閣の本音の表れなのか、それとも政府方針に反する閣内不一致の言動なのか。いずれにしても菅内閣の統率の欠如だけは浮き彫りになったと言わざるを得ない。
「東京では鳩山内閣退陣で普天間の問題は終わったことにされている」(知事周辺)との受け止め方が県内に広がる。枝野氏がリンク論の肯定と取れる北沢氏の発言を、報道側の「誤解」と片付けたまま、北沢氏本人に発言の真意を確認しないのならば、閣内不一致の印象を拭い去ることはおろか、県民の民主党政権に対する不信感を一層増幅させることになりかねない。(木下訓明)
次の記事:検事の自白誘導 全面可視化し...>> 今日の記事一覧
今月の記事一覧
最近の人気記事
総合住宅展示場アワセベイ住みたい家がここにあります。
しんぽう囲碁サロン世界中の囲碁ファン会員と対局
ライブカメラ琉球新報泉崎ビルに設置したライブカメラ
りゅうちゃん商店ウェブサイトからも購入可能に!
ちょBit新報パーソナルアド
琉球新報開発豊富な実績と媒体で、沖縄の心を結ぶ代理店です
琉球新報の本琉球新報の本がネットでも購入できます
週刊レキオ生活情報満載の副読紙。毎週木曜お届け
新報カルチャーセンター130講座 学ぶ楽しさがいっぱい
新報ローカルブログミニコミ紙連動のローカル情報
〒900-8525 沖縄県那覇市天久905
紙面・記事へのお問い合わせは、読者相談室までどうぞ。
電話098(865)5656 (土日祝日をのぞく平日午前10時〜午前12時と午後1時〜午後4時)
©The Ryukyu Shimpo
本ウェブサイト内に掲載の記事・写真の無断転用は一切禁じます。すべての著作権は琉球新報社または情報提供者にあります。