思いやり予算5年間維持 米軍駐留経費負担 日米が協定署名

グアム移転費も 労務・光熱費は削減

2011年1月22日 09時51分この記事をつぶやくこのエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録

 【東京】前原誠司外相とルース駐日米大使は21日、米軍基地で働く日本人従業員の労務費などを削減する一方、在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)の総額1881億円は維持するなどとした新たな特別協定と関連文書に署名した。米軍嘉手納飛行場のF15戦闘機訓練などをグアム移転するのに伴い、日本側が同経費の一部を負担できる規定も新たに盛り込んだ。

 労務費については、特別協定の有効期間(2011~15年度)中に、これまで日本側が負担していた、米軍向けのクラブやゴルフ場など娯楽性の高い施設で働く日本人従業員430人分の給与負担を段階的に減らし、日本側負担の上限を2万2625人分とする。

 13年度から段階的に削減し、総額で約25億円の労務費削減が見込まれるという。これら従業員の雇用は「米側で適切に対処する」(外務省)といい、基本的には米側の負担で維持される見込みという。給与水準自体も変更はない。

 光熱水費は12年度から段階的に負担割合を減らし、現在の約76%を72%に削減(上限249億円)する。削減額は総額27億円を見込む。削減分は提供施設整備費(現在206億円)に上乗せされ、米側から要望が強かった老朽化施設の改良などに使われる。

 日米両政府は、F15などの訓練移転に関する燃料費などの経費の一部をこの思いやり予算総額とは別枠で日本が負担することで一致しているが、グアムでの訓練頻度や実際の負担額などは今後詰める。外務省内であった署名式で前原外相は「(訓練移転が)沖縄の負担軽減につながると確信する」と強調した。

 日本は当初、思いやり予算の在り方を批判してきた民主党政権の成立を受け大幅削減を目指したが、増額を求める米側の厳しい姿勢を前に現状維持で折り合った。政府は24日開会の通常国会に特別協定承認案を提出し、現行協定が切れる3月末までの承認を目指す。

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