2011年2月4日(金)「しんぶん赤旗」

TPPは日米同盟強化

日米シンクタンク 昨秋に共同提言


 日米同盟の基盤強化のために日本は環太平洋連携協定(ТPP)に加わるべきである――日米両国の政府関係者がかかわる政策シンクタンクが昨秋、共同発表した日米同盟強化の提言で求めていることが3日わかりました。

 共同提言「日米同盟と『自由で開かれた国際秩序』」は、アメリカの新米国安全保障センター(CNAS)と日本の東京財団の「日米同盟の在り方に関する共同研究プロジェクト」チームが昨年10月27日にまとめたもの。

 「日米同盟が日本、米国、そして国際社会にとって、今後ともかけがえのない資産であり続けるよう」との立場から日米両首脳へ提言しています。

 共同提言は、軍事面の日米同盟の強化を強調しつつ、経済面での協調も重視。「強い同盟関係には健全な財政基盤が不可欠である。そのために日米両国は、アジア太平洋地域における自由貿易の促進を含め、『グリーン同盟』と両立する経済成長戦略を強力に推進しなければならない」とのべています。グリーン同盟とはオバマ米政権がすすめる“環境重視”の経済エネルギー戦略とされます。

 提言は、さらにTPPについて次のように触れています。

 「(中略)日米両国は、自由貿易協定(FTA)を促進し、アジア太平洋地域における経済連携協定(EPA)のさらなる進展に、先導的な役割を果たすべきである。具体的には日本も、米国がすでに参加を表明している環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に加わり、APECで合意がなされているアジア太平洋自由貿易圏(FТAAP)構想の実現へ向けて積極的な役割を果たすべきである」

「朝日」主筆も

 提言は、日米同盟の基盤を強化する立場から、アジア太平洋地域の経済・貿易で日米が主導権を確保するためTPPへの日本の参加を促しています。

 CNASは、現在、オバマ政権でアジア太平洋政策の責任者であるカート・キャンベル国務次官補が07年2月創立、今回の提言にあたってパトリック・クローニン上級顧問が米側プロジェクト・リーダーをつとめました。東京財団は1997年設立の民間政策研究組織で、現在の理事長の加藤秀樹氏は、民主党政権で行政刷新会議事務局長として内閣入りしています。日本側プロジェクト・リーダーは船橋洋一朝日新聞社主筆(提言当時)。朝日新聞はTPPへの日本の参加を推進する立場から社論を展開していることで知られます。





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