2011年2月5日9時32分
1月に打ち上げられたH2Bロケット2号機=宇宙航空研究開発機構提供
国産最大のH2Bロケットと、日本の有人宇宙施設「きぼう」の実物同様の試作機が、この秋にも名古屋市科学館(同市中区)で屋外展示されることになった。日本の宇宙開発の最先端といえる機体が、一般向けに常設展示されるのは初めてだ。
H2Bロケットは、1月22日に2号機が打ち上げられたばかりの最新型。展示されるのは、開発にあわせて実物同様に組み立てられた「エンジニアリングモデル」と呼ばれる試作機で、現在は愛知県内の倉庫に保存されている。
同科学館の敷地には、先端部のカバーから2段目エンジン部分まで(長さ約32メートル)と、1段目の一部(同6メートル)が展示される予定だ。
「きぼう」は、宇宙飛行士が過ごす船内実験室と呼ばれる中核部分(同12メートル)が展示される。宇宙航空研究開発機構の筑波宇宙センター(茨城県つくば市)に保存してあったものを譲り受ける。実物は2008年、国際宇宙ステーションに取り付けられ、今も地球の周りを回っている。
国産の大型ロケットの展示は、1世代前のH2の実機が、初飛行から約13年後に筑波宇宙センターに置かれているが、「現役」の展示は例がないという。宇宙機構は「保存にも費用がかかるので、展示して有効活用してもらえるのはありがたい」としている。(高山裕喜)