商客の徒というものは、新しきもの、未知のものに挑みかかる、果敢でみずみずしい心を失ったら、それでおしまいさ、おのが居所にしがみつき、さらなる高みを目指さぬ男など女の目から見ても値打ちあるまい…火阪雅志を読む 7 祥伝社発行平成13年4月10日初版第1刷 火阪雅志著 「覇商の門」 547ページ 野望 彦八郎は空に見上げる星を見上げ、胸の底に誓った。 遠からず、おれは今井で一番の商人になってみせる。 いや今井ばかりではない、天下の富を我が手につかみ。 世の中のまつりごとさえ動かして見せよう。 野望は天より高い。 機 商いは何より機をつかむのが肝心。 ぐずぐずしていては、せっかくの商売のうまみを人に吸い取られてしまう。 あんたの考え出した商売だって、うまくいったと聞けば、すぐまねする者が現れる。 そうする前に稼げるだけ稼いでおくことだ。 商いを大きく 戦場の武者はなにゆえおのが身をひときわ目に立つきらびやかな甲冑や陣羽織で飾り立てると思う。己の戦の働きを敵味方に知らせしむるためでしょう。そうだそれに自分の存在を2倍にも3倍にも大きく見せんがため、能役者の舞台衣装と同じだ。 薄汚れた身なりで商客の輩がやってきては持参したものとて何となく安手にみえるのじゃ。 良い身なりなら高価にも見えるのだ。それが人の目だ。大商人らしく衣装から整えるのだ。 金儲けに血祭りあげているだけでは蔑まれる。素養という鎧をつけてはじめて商いの話をすることが出来る。大名、公家など有力者に手を結ばないと大商いは成功しない。 信長と 朝廷、そして足利将軍家、比叡山、石山本願寺とそれにつらなる風のもの、信長は多くの既成勢力と闘ってきた。 彼らは信長の力によって屈服に追い込まれたが、最後の最後死に際のあがきによって、信長に復習を果たしたのではないだろうか。自分は信長とともに誰もが手をつけられなかった既成の権威と戦った。 商いで天下を盗る。大和今井町の商人として一歩を踏みだした今井宗久は虎視眈々世に出る機会を窺っていた。信長とともに宗久は誰も手をつけられなかった既成の権威と闘った。闘いはなかばでおわったが、悔いはなかった。 商客の徒 =商いという武器を持って大名、武将と互角に天下を渡っていくー不適な面構えが商客の徒という言葉から感じられる。商人であれ、農民であれ、僧侶であれ、自ら武装し知恵を使わなければ生きていけない過酷な時代=それが戦国乱世だった。ある意味で現代もそうであろう。 火縄銃を合戦に使う場合、火薬と弾丸の装填に手間がかる欠点があった。宗久は、その不利を鉄砲隊を3隊に分け、順次それを前面に押し出すことによって見事におぎなった。 この宗久が試みた鉄砲三段撃ちは、のち、信長が戦国最強武田騎馬軍団を打ち破った長篠の合戦で使われた。鉄砲商人今井宗久は、火器の効率的な使用法を自ら実践。信長はその宗久の進言を積極的に取り入れ、戦国の合戦に革命をもたらしたのだ。 鉄砲と火薬 宗久梃入れで生野銀山は復活。宗久が実権を掌握し、以後銀山が生み出す莫大な富は、織田信長の軍用金になって行った。そして宗久のふところにも流れ込んだ。 信長は堺に矢銭(軍用金)2万貫文(10億円相当)を命じた。歯向かった石山本願寺でも5千貫分(2億5千万相当)であり、堺はその4倍という莫大な要求であった。 堺町会所で36人会合衆の寄り合いが持たれた。宗久が肩入れした信長は上洛を果たしたという歴然とした事実があるが、寄り合いは最初から紛糾した。 年が明けた永禄12年、ついに堺は降伏、36人会合衆の連判状を宗久は信長に差し出した。宗久は無血開城の褒美として、淀魚市の税徴収権、摂津五箇庄代官職が与えられた。 武商の誕生である。ついに宗久は堺一の豪商天王寺屋に迫るまでになった。 火阪作品は誠にストーリ、展開が面白い。そして歴史の断面をあるときは薬医師、あるときは商人、あるときは骨董屋、そして知将など舞台を日本各地に変え、趣を変えながら切り開いて行く。 今回は堺の武器商人今井宗久が主人公。相変わらずジェームスボンドのようにかっこよく、スマートさで見事に権力者に取り入り、おのれの野望を実現させて行く。 文中随所に商の極意が披露される。 今日の民法…自由国民社発行 高梨公之著「口語民法」に学ぶ 第2章 人(自然人) 第3条 私権の享有は、出生に始まる、 2 外国人は、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、私権を享有する。 解説 届けが出ようが出まいが、この世に生まれた限り権利を持つ。 外国人には2項が定められているが様々な制限がある。 @ 土地の取得=外国人土地法1条 A 日本国籍の航空機や船舶は取得出来ない=船舶法1条、航空法4条。 B 特許権、意匠権、実用新案権などの工業所有権も取得出来ない。 今日の労働基準法…労務行政発行 厚生労働省 労働法コンメンタール3 第1章 総則 第3条「均等待遇」 使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取り扱いをしてはならない。 解説 国籍、信条、社会的身分以外の理由による差別を禁止する明文の規定はないが、民法90条に公序良俗に反すれば無効と解される場合がある。労働条件は災害補償、安全衛生等も一切含まれていると解すべきだろう。 本条に違反した場合、6カ月以下の懲役、または30万円以下の罰金に処せられる。(29条1号):現実に差別的取り扱いが行われた時に成立する事はいうまでもない。 ブログランキング http://jobranking.net/44/ranklink.cgi?id=1346 |
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マッシュアップサーチラボ 2008/01/08 16:32 |
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