サッポロがポッカ買収検討　飲料強化狙う

　サッポロホールディングスが、飲料大手ポッカコーポレーション（名古屋市）の買収を検討していることが５日分かった。ポッカは再上場を検討しているが、ポッカに約２割出資するサッポロが飲料部門の強化を狙い、名乗りを上げた。

　ポッカは、約６０％の株式を保有する大株主で独立系投資ファンドのアドバンテッジパートナーズ（東京）とともに最終的な判断を下す。

　サッポロは少子高齢化で国内ビール市場の縮小が見込まれる中、収益源の多様化を目指している。現在もポッカと物流面などで業務提携しているが、効果を高めるには子会社化が必要と判断したもようだ。

　ポッカには再上場の意向がある。一方、アドバンテッジはポッカの自社買収（ＭＢＯ）に約２３０億円の資金を投じており、より大きな利益を確保したい思惑がある。

　サッポロが、再上場案よりもアドバンテッジの利益が大きくなる買収金額などの条件を示すかどうかが焦点。サッポロは「企業価値向上に向けさまざまな検討を行っているが、現時点で決定しているものはない」とのコメントを出した。

　ポッカは敵対的買収を防ぎ、複雑な株主構成を見直す狙いで２００５年にＭＢＯを実施、非上場化した。サッポロだけでなく、明治製菓とも資本・業務提携し、経営基盤の強化を進めてきた。

　ポッカは缶コーヒーが主力。名古屋が地盤で、中部圏に自動販売機などの強力な販売網を保有している。

　国内の食品・飲料業界はメーカーの数が多く、過当競争状態で、商品の値下がりが激しい。各社とも消耗戦に入っており、業界再編が課題となっている。（共同）

　［2011年2月5日11時51分］