政治【主張】菅首相 公約破綻を認め修正急げ2011.2.5 03:09

  • [PR]

[政治]ニュース トピック:主張

  • メッセ
  • 印刷

【主張】
菅首相 公約破綻を認め修正急げ

2011.2.5 03:09

 菅直人首相が衆院予算委員会質疑で一昨年の衆院選政権公約(マニフェスト)の見直しを示唆する発言を続けている。

 野党が協議に応じないことを「歴史への反逆行為」と語ったことについても「謝りたい」と謝罪した。

 こうした発言は、首相が目玉とする社会保障と税に関する超党派協議への誘い水とみられるが、口先だけの印象は否めない。

 それを端的に示すのは、首相が見直しの時期を「9月」と語ったことだ。これではマニフェストの撤回を求める自民党が与野党協議のテーブルにつくことは困難だ。公明党も「社会保障のあり方の中身が示されていない」と協議の環境が整っていないとしている。

 首相はマニフェストが破綻していることを率直に認め、直ちに見直しに踏み込むべきだ。昨秋の民主党代表選で「実現困難な場合は国民に率直に説明し、理解を求める」と語ったのを忘れたのか。

 菅内閣は社会保障と税の一体改革の基本方針を6月にまとめ、社会保障に関しては4月に方針を示すという。だが、提出された来年度予算案は現行マニフェストを前提としている。予算審議の段階でマニフェストを見直し、与野党協議を通じて来年度予算案の組み替えにも柔軟に応じるべきだ。

 4月や6月といった日程は問題の先送りでしかない。9月の見直しでは平成24年度予算にも現行マニフェストの影響が残る。

 首相は年金改革について「すべての案を土俵に乗せる」と語り、税方式の最低保障年金創設など民主党案にこだわらない姿勢を見せている。ならば、自民党などの保険料による社会保険方式に同意するかどうかを明確にすべきだ。

 子ども手当では、来年度から3歳未満は現行の1万3千円を2万円に増額する。来年度予算案にはそのため今年度より5千億円多い国費が投じられている。2万6千円の満額支給の断念も含め、直ちに対応を決めねばならない。

 16・8兆円のマニフェスト財源を無駄遣い廃止で捻出するシナリオのいいかげんさは、首相も「過大な見積もりもあった」と認めるしかなかった。

 2年連続で国債発行額が税収を上回る異常事態だ。政策効果が検証されないばらまきに固執する余裕はない。首相の早急の決断が求められている。

  • [PR]
  • [PR]

[PR] お役立ち情報

PR
PR

編集部リコメンド

このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。
© 2011 The Sankei Shimbun & Sankei Digital