「WBC世界Sフライ級タイトルマッチ」(5日、大阪府立体育会館第1競技場)
挑戦者・名城信男(29)=六島=が3日、大阪市内のホテルで行われた調印式に、甲冑(かっちゅう)姿の8人を引き連れて登場した。世界戦では自身も甲冑姿で入場し、その様子は王者トマス・ロハスの母国メキシコでも生中継される。『侍』パフォーマンスでアピールし、海外進出につなげる狙いだ。一方でロハスのニックネームは『イモムシ』。日本の『侍』がメキシコの『イモムシ』退治で名を上げ、いざ海外へ出陣でござる‐。
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出陣を告げるほら貝の音とともに、名城が会場に姿を現した。後ろには赤い甲冑姿の武将隊がズラリ。一同あ然の仰天パフォーマンスで、調印式がスタートした。
赤い甲冑は戦国武将の真田幸村が大坂夏の陣(1615年)で身につけたものと同じモデルで、世界戦当日は名城も着用して入場する。「身が引き締まる。真田幸村は普段は物静かだけど、戦場では熱い方だったと聞いた。自分もあやかって、リング上で熱い試合を見せたい」と力を込めた。
一番の狙いは、名城の『侍』キャラクターを海外にアピールすることだ。試合はメキシコでも生中継されるとあって、「海外の選手には分かりやすいと思う」と笑顔。王座を奪取すれば、次戦は同級1位ファン・ホセ・モンテス(メキシコ)との指名試合で、「ぜひメキシコでやりたいですね」と声を弾ませた。今世界戦で名前を売って、念願の海外進出につなげるつもりだ。
ロハスは「試合を盛り上げるためのショーですか」と大笑いで、「皆さん似合っていて格好いい」と好感を持った様子。名城が『侍』と呼ばれていることを聞くと、「リング上ですべてをかけて戦っている姿勢が感じられる。そういうニックネームがついて当然」と理解を示した。
自身については「小さいころから細くて背が高いから、『イモムシ』と呼ばれている」と説明。「このニックネームで有名になりたい」と、『侍』キャラに対抗する構えだ。
『侍』対『イモムシ』の構図に、名城は「まあ勝って当然ですね」と苦笑い。「前半からしっかり攻めてKOを狙いたい」と、“虫退治”に闘志を燃やした。