いま韓国で憧れの職業1位はタレントである。
韓国の公共放送KBSで行われるオーディションには、俳優を目指す若者たちが列をなす。テレビ局のオーディションから韓流スターのチャン・ドンゴン、ペ・ヨンジュン、イ・ビョンホンなどが巣立った。
その彼らが日本で大成功して8年が経過しようとしている。続いて、K−POPと呼ばれる歌手たちも台頭してきた。筆頭は東方神起。いずれも180センチを越す大柄な体躯、ダイナミックなダンスは日本の女性ファンを魅了した。⇒【東方神起、2人でMステ生出演】
洗練された切れ味あるダンスは日本のアイドルとはレベルが違う。
「いわば2000ccのスポーツカーと1000ccのファミリーカーほどの差がある。ジャニーズ系の甘いマスクと、EXILEの力強さを併せ持つのが魅力」と20代向けの女性誌副編集長。
韓国政府は映画産業をハリウッドと同じように国策の一環として援助してきた。
「日本の国家予算に占める文化予算の割合は、わずか0・11%。韓国は、その6倍ですよ。アジアに打って出ようと思っても宣伝が見劣りしてしまう」と、日本のプロダクション幹部はボヤく。映画からゲームやテレビドラマ、音楽、アニメなどのエンターテインメントへと波及した韓国文化を輸出コンテンツとして国家がバックアップする仕組みが確立。“輸出先”は中国大陸、台湾、タイ、シンガポール、北米のアジア系コミュニティーにまで拡大。しかし、何といっても主要輸出先は日本である。
「CDが売れなくなった、といっても日本のエンタメ人口は韓国の2倍以上。観客動員は右肩上がり」(韓国アイドル誌編集者)とあって、タレントたちはジャパニーズドリームを目指す。日本語を学び、日本市場を手中に収めようと懸命だ。
K−POPの卵たちは合宿所で寝起きを共にし、1日8時間以上も歌と踊りのレッスンに明け暮れる例も。東方神起に続けと、日本のプロダクション、レコード会社と手を結んだBIG BANG、少女時代、KARAらが、一大ブームを巻き起こすまでになった。
昨年はNHK紅白歌合戦の出演を逃したが、「今年は4組出演する」と予想する音楽関係者もいるほどだ。
ただ、その裏では、東方神起に続く、KARAの分裂騒動など、日本とは異なる複雑な韓国芸能界の事情がある。一部では“奴隷契約”とまでいわれる韓国アイドルの現状を追う。(韓流取材班)
■緊急連載 韓国芸能界の実態(1)