日本相撲協会は4日、春場所(3月13日初日・大阪府立体育会館)のチケット前売り延期を発表した。前売りは6日から予定されていたものの、八百長メール問題の沈静化のメドが立たないまま延期を余儀なくされたことで、中止の可能性が出てきた。すでに大相撲トーナメント、NHK福祉大相撲は中止になっており、春場所を開催するかどうかについては6日の理事会で議論する。
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角界の根底を揺るがす八百長問題で、春場所開催に赤ランプが点滅した。八百長メールが発覚すると、協会は即座に特別調査委員会を設置して問題の解明を急いだ。6日の理事会では、八百長を認めた3力士の処分などを決め、一定のケジメをつける予定だった。だが、現在の状況では早急な解決は望めない見込みで、前売りの延期に追い込まれた。
春場所開催について、放駒理事長(元大関魁傑)は「こういう問題が出て、ファンに理解してもらえない状況でいいのか、考えないといけない」と話した。野球賭博問題で揺れた昨年の名古屋場所は、強行開催に踏み切った。
だが、今回は問題の性質が異なる。「野球賭博も問題だが、もっと重い話ととらえている」とし、より深刻に受け止めている。世間の理解を得ないことには、開催が不可能と判断しているようだ。
特別調査委は3日から面接調査をスタートさせた。八百長に関与したとされる13人と、千代白鵬が対戦相手と指摘したもう1人を加えた14人を対象に調査を急いでいるが、進展状況は思うようにいっていないもようだ。
理事長によると、「処罰を決める理事会にならない可能性がある」という。調査委からの報告を待って処分を決め、1日も早く騒動の沈静化を図りたいのが協会の本音だ。だが、肝心の報告が中間的なもので、判断できる材料がそろっていなければ処分は科せない。
開催については、6日の理事会で処分と並行して協議される。だが、処分を決められないようでは、開催問題も議論のしようがなくなる。28日の番付発表を控えて、開催決断のリミットもある。理事長は「待っている人に1日も早く知らせる義務がある。調査委の報告による」とした。春場所の相撲案内所では、既に入場チケットの予約販売を始めており、開催中止となれば打撃の大きさは計り知れない。
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