「結局は頭脳競争、海外の優秀人材を誘致せよ」(下)

【特別企画】韓・中・日 新経済大戦

未来の競争で遅れ懸念

 世界トップクラスの企業のCEOとして、彼らが感じる危機感は大きい。尹富根社長は「生き残らなければならないというプレッシャーで毎日、血の気が引くほどの競争をしている感覚だ。日本メーカーも手ごわいが、中国の力は予測不能なほど恐ろしい」と述べた。尹社長はまた、「10年前にデジタルテレビがアナログテレビを淘汰(とうた)したのと同様の破壊力でスマートテレビが市場地図を塗り替えることもあり得る」と指摘した。

 梁承錫社長は「現在はトップを懸命に追い掛ければよいが、将来は自ら開拓しなければならないのではるかに苦しい」と漏らした。これまではトヨタなどの先進メーカーが先生の役割を果たしてきたが、現代自が「世界トップ5」入りを果たしてからは、霧の中の道路を先頭で走るように、リスクと試練にさらされている。

 権五哲社長は「スマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット型パソコンのようなスマート機器の普及で、半導体分野の競争はますます激しくなっている。東芝、エルピーダメモリなど日本の半導体メーカーも毎年巨額の投資を行っており、安心していたら死んでしまうという危機感を感じる」と語った。

政府は未来産業に積極投資を

 金権泰本部長は「太陽光分野で中国が規模はもちろん、技術面でも既に韓国を上回っている。特別な措置を講じなければ、韓国企業は永遠に世界をリードする企業には加われない」と危機感をあらわにした。7-8年前までは、太陽電池分野で500億ウォン(約36億円)を投資しただけで世界トップ10入りを果たすことができたが、5年後には2兆ウォン(約1440億円)を一度に投資することが必要になった。金本部長は「韓国企業の世界トップ10入りの成敗は3年以内に決まる。現在最も重要なことは、太陽光産業が将来の重要産業になるという確信を抱き、果敢に投資を行い、絶えず技術開発を進めることだ」と提言した。

 梁社長も「ハイブリッド車や電気自動車のような環境対策車は、必ず向かうべき将来方向だ。しかし、量産に必要な巨額の費用にどのように持ちこたえていくかという問題は、国家レベルで細かい計画と備えが必要だ」と注文を付けた。

崔元碩(チェ・ウォンソク)記者

李性勲(イ・ソンフン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
関連記事 記事リスト

このページのトップに戻る