宮古島市内で2008年11月、乗用車がバイクに衝突し、バイクの後部座席の男子高校生(当時17歳)が死亡した事故で、自動車運転過失致死罪に問われた宮古島市の女性(43)の逆転無罪が確定したことを受け、県警が再捜査する方針を固めたことが6日、県警幹部への取材で分かった。県警幹部は「被害者がいる以上、捜査を続けるのは当然。検察と詰めながら、しっかりと再捜査していく」としている。
県警の再捜査の方針を受け、亡くなった男子高校生の母親(49)は「長丁場になるという思いがあったので(再捜査の方針には)驚きと喜びと、少しほっとしました」と語った。
6日は男子高校生の誕生日。遺影に手を合わせ報告した。母親は「再捜査だけで終わらず、起訴まで持っていって、裁判で真相が明らかになることを願います」と真相の解明を求めた。
この事故では、男子高校生を死亡させたとして、女性が自動車運転過失致死と道路交通法違反(酒気帯び運転)の罪に問われ、一審で懲役3年を受けた。女性側の弁護人は、女性の逮捕後に娘(15)=当時=が運転したとする娘の自白書を警察に提出し、一、二審を通して被告の無罪を主張。控訴審判決では、福岡高裁那覇支部が一審判決を破棄し、自動車運転過失致死罪について逆転無罪を言い渡していた。
控訴審で河邉義典裁判長は「被告が運転していた事実を推認させる客観的な証拠はなく、同乗者らの供述はいずれも全面的に信用できず、合理的な疑いが残る」と判断。福岡高検那覇支部は8月31日に上告断念を発表し、女性の無罪が確定した。