宇宙開発、前途遠い韓国(上)

【特別企画】韓・中・日 新経済大戦

 韓国で人工衛星搭載ロケット「羅老(ナロ)号」の2回目の打ち上げが失敗に終わった三日後の昨年6月13日午後7時51分、縦1メートル、横1.6メートル、高さ2メートル、重さ510キロの物体が宇宙から大気圏に突入した。8年前の2003年5月、地球から3億キロ離れた小惑星イトカワに向かって打ち上げられた日本の探査機「はやぶさ」だった。

 はやぶさは3時間後、空気との摩擦熱によって空中で燃え尽きた。しかし、はやぶさの機体から離脱した長さ40センチの円筒型のカプセルはオーストラリアのウーメラ砂漠に落下した。摂氏3000度の高温を耐え抜いたこのカプセルには、太陽系形成の秘密が隠された小惑星イトカワの岩石の微粒子が入っていた。人類の歴史上、月よりも遠くを探査し、地球への帰還に成功したのは、はやぶさが初めてだった。

日本の宇宙開発の底力

 はやぶさの60億キロにわたる旅路からは、55年間にわたる日本の宇宙産業の底力をうかがい知ることができる。地上との通信が途絶した危機的状況で、自らアンテナを地球に向ける人工知能技術、宇宙空間を15年以上飛行できるイオンエンジン技術、故障した2個のイオンエンジンのうち正常に作動する部品を遠隔操作で回路をつないで1基のエンジンとして使う遠隔制御技術、摂氏3000キロの高温からカプセルを保護した断熱技術-。

 はやぶさの技術力は、宇宙開発の「宗主国」といえる米国をも驚かせた。はやぶさが帰還した当日、米航空宇宙局(NASA)は観測機を動員し、はやぶさの大気圏突入過程を観察した。はやぶさの突入速度がNASAのスペースシャトルの1.5倍に当たる秒速12キロに達するということが信じられなかったからだ。現在NASAは、はやぶさに搭載されたイオンエンジンを購入する方向で、日本と交渉を進めている。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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