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[スポーツ]ニュース トピック:大相撲改革
【国技は死ぬのか】(中)なぜ八百長は存在するのか
2011.2.5 00:18
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「佐野山」と題される人情噺はフィクションだが、力量、人格とも優れていた谷風に人々が求めた力士像が示されている。
「力士はお互いの事情が分かっている。特殊な人間関係から星を融通し合うことも起きるだろう」と中島教授は話す。「公平さや厳格さの尺度が、欧州からきたスポーツとは違う。昔の相撲ファンは、そのあたり『大人の見方』をしていたのでは」とは阿部氏だ。
人情相撲を許容する文化の裏側で、勝ち負けを操作する不正行為である八百長が横行していた。だが、相撲協会は一貫してその存在を否定してきた。週刊誌の八百長報道に対して起こした訴訟にも勝利。昨夏、協会の改革を検討する「ガバナンス(統治)の整備に関する独立委員会」が罰則付きの八百長禁止規定を提言した際も「八百長は存在しない」と拒否している。
八百長の「証拠」が明らかになったことで、不正の根絶は急務となった。しかし、特別調査委員会の伊藤滋座長(早大特命教授)が認めるように、実態の把握すら困難な状況。大相撲の根源的な問題でもあり、信頼回復の道筋すら見えていない。
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