宮古島市内で2008年11月、乗用車がバイクに衝突し、バイク後部座席に乗っていた男子高校生が死亡した事故で、事故時に誰が乗用車を運転していたかが争われ、自動車運転過失致死罪と道交法違反(酒気帯び運転)の罪に問われた宮古島市の女性(43)を逆転無罪とした福岡高裁那覇支部判決について、福岡高検那覇支部は31日、上告を断念したと発表した。上告期限の1日午前0時に無罪が確定した。
上野友慈支部長は「福岡高検本庁とも協議したが、適切な上告理由を見いだすことは困難であると判断した」とのコメントを出した。また、再捜査の有無については「コメントを差し控えたい」とした。
女性の弁護人は「上告断念は妥当な判断であり、よかった」と話した。
一方、同事故で亡くなった男子高校生の母親は、本紙の取材に「犯人がいないなんてありえない。法律は加害者の味方なのか。こんなことが二度とあってはいけないし、警察や検察には犯人が誰なのかはっきりさせてほしい」と訴え、「息子が帰ってくるわけじゃないが、ここ(自宅)に来て謝罪してほしい」と話した。