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春場所、中止なら損失十数億円 親方「どうしたら…」(1/2ページ)

2011年2月5日5時33分

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写真:記者に囲まれ質問に答える放駒理事長=4日午後5時36分、東京都墨田区の国技館、伊藤進之介撮影記者に囲まれ質問に答える放駒理事長=4日午後5時36分、東京都墨田区の国技館、伊藤進之介撮影

 大相撲の八百長疑惑が、春場所(3月13日初日、大阪府立体育会館)の開催を根底から揺さぶっている。日本相撲協会は4日、入場券の前売り開始(6日)の延期を決定。たとえ開催してもファンの理解が得られるのか、不安視する声も協会内で生まれ始めた。「事実関係の調査に協会がどこまで本腰を入れるかだ」。監督する文部科学省は厳しい目を注ぐ。

 40歳代の親方は、入場券の販売延期のニュースを自分の部屋で見た。「もう驚かない」。無表情につぶやいた。別の親方も「しょうがない。スコップ一本で生きていく覚悟を決めた」「裸一貫で出直す覚悟が必要」と不安を口にした。

 あるベテラン親方は泣きそうな顔だ。「まじめにやっている力士が大半のはず。彼らのためにも場所を守りたいけど……。どうしたらいいか分からない」

 放駒理事長(元大関魁傑)はこれまで開催にこだわり続けてきた。本場所は、力士にとって日々の鍛錬の成果を披露する場だ。たとえ観客がいなくても取組をするべきだ――それが理事長の持論だ。2日の臨時理事会でも、ある幹部が「大阪場所はどうなるんですか」と尋ねると「やる」と言い切ったという。

 だが、4日の記者会見では「ファンのみなさまに理解してもらえない状況で、果たして(開催して)いいのかどうか……。当然、考えなきゃいかんと思う」と揺れた。

 本場所の開催を見送った場合、協会は財政的に大きな影響を受ける。1場所やめるとざっと約10億円の入場料収入が入らず、相応の放映権料(約5億円)も消える。

 相撲案内所(相撲茶屋)にも数千万円の損失が予想される。野球賭博問題の渦中で開催された昨年7月の名古屋場所では、有料入場者が前年比で約1万7千人減るなど、協会は茶屋から損害賠償を求められた。協会は売れ残ったチケットの買い取りと、一部の賠償金の支払いで合意した。

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