小型機墜落:遺体を医師夫婦と確認 事故原因調査本格化へ

2011年1月4日 23時44分 更新:1月5日 1時52分

山中で見つかった小型飛行機の残骸の周囲を取り巻く自衛隊員ら=熊本県大津町で2011年1月4日午後5時、本社ヘリから和田大典撮影
山中で見つかった小型飛行機の残骸の周囲を取り巻く自衛隊員ら=熊本県大津町で2011年1月4日午後5時、本社ヘリから和田大典撮影

 熊本県の上空で行方不明になっていた2人乗りの小型機は4日午後、同県大津町の矢護(やご)山(942メートル)の南南東約1.5キロの山腹に墜落しているのが見つかった。機内で男女2人の遺体が発見され、熊本県警は搭乗していた山口県周南市の医師、神田(こうだ)博さん(53)と、妻の裕美さん(50)と確認した。国土交通省運輸安全委員会の航空事故調査官3人が4日夜、熊本入りし、5日から事故原因の本格的な調査を始める。

 熊本県警などは4日朝から約200人態勢で捜索を再開。上空と地上から、機影がレーダーから消えた矢護山付近を集中的に捜索し、午後3時5分に陸上自衛隊員が山腹で機体を見つけた。

 機体は全体的に右側に傾いて大破し主翼、尾翼ともちぎれて無い状態。現場の状況から、周辺の樹木にぶつかりながら墜落したとみられる。操縦席の右側に裕美さん、左側に博さんが座り、裕美さんの方に折り重なっていた。

 小型機は博さんが代表を務める周南市の民間会社が所有するパイパーPA46-350P型機(最大6人乗り)。神田さん夫妻は3日午後5時12分に熊本空港を出発し、数分後に矢護山付近でレーダーから機影が消えた。

 神田さん夫妻は2日から長男、次女の家族4人で奄美大島を旅行。奄美空港からの帰路の3日夕、熊本空港で長男と次女を降ろして、北九州空港に向かう途中だった。

 国交省運輸安全委員会の永井隆一・航空事故調査官ら3人は4日午後9時過ぎ、熊本空港に到着。永井調査官は報道陣の取材に「事故機が山に激突したのか、あるいは墜落したのかなどを調べるため機体の損壊状況などを見ていく」と述べた。

 早ければ5日午後にも矢護山の機体発見現場へ向かい、事故機に積まれているGPS(全地球測位システム)を回収し、飛行計画や事故当時の天候、過去の整備状況などの精査も進めるが、天候次第では現場に行けず、調査が長引く恐れもあるという。【遠山和宏、取違剛】

top

PR情報

アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド