ウィキリークス:東京発、初暴露 日本側が反捕鯨対策要求

2011年1月3日 19時35分 更新:1月4日 0時32分

 米外交公電の暴露を続ける内部告発サイト「ウィキリークス」は1日、日本の調査捕鯨を妨害する反捕鯨団体「シー・シェパード」(SS、本部・米ワシントン州)をめぐり、日本の農林水産省幹部が米側にSSへの対策強化を要求したとする在日米大使館発の公電を公表した。

 ウィキリークスは同日現在、入手したとされる公電約25万点のうち約2000点を公表したが、東京の米大使館発の公電が公表されたのは初めて。今後、米軍普天間飛行場の移設問題や北朝鮮情勢などをめぐる日米間のやり取りが暴露されていく可能性もある。

 09年11月~10年1月に発信された日本の調査捕鯨に関する公電3点。09年11月2日付の公電は、日本の農水省幹部と在日米大使館の首席公使との会談内容を報告。幹部は、SSの行為が非常に危険なものだと非難した上で、(非課税団体である)SSに税制上の問題点がないか調査するよう要求した。

 また、同月9日付の公電は、別の農水省幹部と国際捕鯨委員会(IWC)のモニカ・メディナ米政府代表との会談内容を報告。幹部は、SSの暴力的な活動はIWCの交渉における日本の柔軟性を制限することになると警告。メディナ代表は、SSに対する課税について、その攻撃的で有害な行動を考慮すれば、SSが非課税団体には値しないと証明し得るとの見解を示した。

 一方、10年1月27日付の公電によると、当時の福山哲郎副外相(現官房副長官)と在日米大使館の経済担当公使が捕鯨問題をめぐって会談。公使は、国際的な交渉が難航する捕鯨問題で、主要な捕鯨国であるアイスランドの捕獲枠の削減に向けて日本の協力を要請。これに対し福山氏は「日本政府がこの問題で性急に動けば、与党である民主党にとって国内政治の問題になる」と難色を示したという。【隅俊之】

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 福山哲郎官房副長官は3日夜、毎日新聞の取材に対し「事実関係を含め、コメントをすることは適切ではないと考える」と語った。

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