2010年12月6日 19時26分
宮城県石巻市で2月に起きた3人殺傷事件で殺人罪などに問われ、少年事件の裁判員裁判で初の死刑判決(11月25日)を仙台地裁で受けた同市の元解体作業員の少年(19)の弁護団は6日、判決を不服として仙台高裁に控訴した。
同日の接見で少年の同意を得て、控訴申立書を出した弁護団は「死刑を受け入れて死ぬことだけが償いではなく、生きて、被害者に謝罪の気持ちを持ち続けることも一つの方法ではないかという気持ちになったようだ」とのコメントを発表した。
少年は接見した弁護団に対し判決直後は「判決を受け入れたい」と語り、2日には「控訴するのは(殺害された女性)2人の被害者に許されないのではないか」と話したという。このため弁護団が控訴するよう説得していた。
公判で少年は起訴内容をほぼ認め、検察側が裁判員裁判で少年には初の死刑を求刑。弁護側は事件時18歳223日の年齢や更生可能性などを理由に保護処分を主張したが、判決は「年齢は死刑を回避すべき決定的な事情とまでは言えない。反省に深みがなく、更生可能性は著しく低い」と退け「残虐さや結果の重大性に照らせば、極刑をもって臨むほかない」と結論付けた。【須藤唯哉】