2010年12月6日 10時29分 更新:12月6日 11時45分
今年5月に打ち上げられた金星探査機「あかつき」が6日、金星への最接近に備えて姿勢変更を完了した。7日朝にエンジンを逆噴射して減速し、金星を回る衛星軌道に投入される。宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、今のところ探査機の状態は正常で、計画通り順調だという。
あかつきは地球から約5億キロを飛行し、6日午前10時現在、金星にあと約32万キロに迫った。逆噴射は約12分間で、送信済みの指令プログラムで自動制御される。機器の不調などで噴射が9分20秒以下にとどまった場合は、金星を回れずに通過してしまう。相模原市のJAXA管制室では「やり直しが利かない、一発勝負だ」と緊張感を高めている。
98年に打ち上げた火星探査機「のぞみ」が軌道投入に失敗。あかつきが成功すれば日本初の惑星探査機となる。
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探査機「あかつき」が金星に到着する7日午前7時から午後1時まで、JAXA相模原キャンパス(相模原市)の展示ロビーでは、衛星軌道投入を行う管制室の研究者たちの姿を放映。同午前8~10時には、インターネットの「宇宙教育テレビ」(http://www.yac-j.or.jp/tv/)でも生放送される。
また、到着直前の金星を望遠鏡で眺める観望会が同5時半~7時、同キャンパス内で行われるほか、宇都宮市や京都府向日市など各地の天文台でも開かれる。詳しくは国立天文台の特設ホームページ「あかつきの金星を見よう」(http://akatsukikun.net/)。【山田大輔】