好きにおやりなさい。ただし「国技」の看板も公益法人の資格も返上してもらいます――。もはやそう言わざるを得ない。
昨年から不祥事が相次いできた大相撲で、今度は八百長が発覚した。力士らが携帯電話のメールで勝ち星を売買したり、取組の内容を事前に打ち合わせたりしたことを示す記録が、警視庁が野球賭博事件を捜査する過程で見つかった。
関与したとみられる力士や親方は十数人に上り、すでに何人かは八百長したことを認めた。取組を映像で検証した結果、事前の打ち合わせ通りだったことも分かっている。
大相撲をめぐる八百長の噂はこれまでも絶えなかった。元力士らからの内部告発もあった。それでも日本相撲協会は一貫して否定してきた。
しかし、もう言い逃れはできない。協会の放駒理事長は「過去には一切なかった」と断言したが、今回も警察の捜査で初めて分かったことで、協会の自浄能力が働いたわけではない。理事長の発言には説得力がなく、むしろ大相撲の今の地位を守ろうという意図が透けてみえる。
今の地位とは、相撲が国技と称され相撲協会は財団法人の資格を持つことだ。伝統と格式を持つ日本文化であり、土俵上の真剣勝負が魅力的だったからこその地位である。
公益法人であることで、収益事業に対する税率が営利法人に比べて低く設定されるなど、税制で優遇されている。スポーツ興行団体でありながら、国に保護されているわけだ。
そうした地位を、八百長が発覚してもなお維持できると協会が考えているとすれば、ムシがよすぎる。高木義明文部科学相が公益法人の認可取り消しに言及し、枝野幸男官房長官が相撲協会が目指している公益社団・財団法人への移行を「難しい」と断じたのも当然だ。現状ではとても公益法人の名に値しない。
相撲協会が真に生まれ変わろうとするならば、公益法人認可取り消しの前に、まず資格を返上することだ。改革の結果、公益法人にふさわしく再生したと判断すれば再認可を目指す。それがスジではないか。
もちろん、八百長問題がくすぶったままならば、一興行団体として歩んでいくしか道はない。
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