top_logo.gif LIBRARY:地球温暖化'97[プレスリリース]
1997年12月8日付



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地球温暖化'97
[プレスリリース]

京都会議までの
主要なプレスリリース

10月6日:京都会議
  を脅かす日本案

10月6日:橋本首相
  への申し入れ

10月13日:日本案
  の撤回と再提案を

10月17日:ペンギ
  ンが政府に抗議

10月31日:最終交
  渉会議(AGBM8)
  の批判

10月31日:AGBM
  8での松本泰子の
  演説


京都会議で発信した
プレスリリース

11月30日:清水寺
  にソーラーパネル

12月1日:いよいよ
  京都会議、スタート

12月5日:ニュージ
  ーランド案への
  コメント

12月5日:カーボザ
  ウルス、登場

12月7日:産業界か
  らの圧力

■ 12月8日:ゴア米副
  大統領演説を批判
12月8日:橋本首相
  演説を批判

12月9日:議長案へ
  のコメント

12月9日:タイムリ
  ミットは24時間

12月11日:採択さ
  れた議定書への
  コメント

12月11日:京都会
  議総括

地球温暖化'97
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ゴア副大統領演説に対する
グリーンピースのコメント



[プレスリリース 1997年12月8日]


本日アル・ゴア副大統領は、気候変動枠組み条約会議に参加する。彼の演説で、副大統領は米国の立場を繰り返した。
すなわち、2010年までに温室効果ガスの排出を1990年レベルで削減ゼロ(あるいは安定化)、発展途上国の意味ある参加、共同実施や排出枠取り引きを採用した柔軟性、人間の活動によって排出される6種類の主要な温室効果ガスすべてを含めること、各国間での制限付き複数目標と義務、を求める立場である。
副大統領は、米国の立場に若干の柔軟性があることを示唆したが、先週米国の代表団が示した立場と実質的に変わらなかった。

「6種類の温室効果ガスすべてを含めることと第一期での削減の可能性があること、という点を除いては、米国提案に良い点は何もない」と、グリーンピース・インターナショナルの気候政策部長、ビル・ヘアーは語った。
「米国は京都会議で達成されるかもしれない合意に様々な抜け穴を作るよう働きかけており、これではこの条約がスイスチーズのように穴だらけのものになってしまう可能性がある」

「グリーンピースは、途上国に非難の矛先を転換した米国の戦略を非難する。米国は『犠牲者を責める』という典型的な手段を使い、繰り返し、途上国がこの交渉過程で努力してきているということを誤って伝え、一般市民が米国の過失から目をそらすようにしてきた」とグリーンピース米国の気候キャンペーン部長、カリー・クライダーは述べた。

途上国は沿岸部や小島諸国での洪水や伝染病や熱帯地域特有の疫病の蔓延、各地での洪水や干ばつ、そして異常気象の増加による影響を最も強く受けやすい。

「言葉よりも実行を。今日の演説からすると、副大統領は化石燃料業界の要求と脅迫に屈服しているようだ。そして米国は、危険な気候変動を防ぐために化石燃料の終焉と太陽光をはじめとする再生可能エネルギーへの転換への始まりを示すような条約を話し合う準備ができていないようだ」とグリーンピース・インターナショナルのカースティー・ハミルトンは述べた。



 グリーンピース・ジャパンからのコメント

  • これまでのアメリカの立場から一歩の前進もない。
    何も対策をとらない場合の排出増加カーブから30%削減、すなわち1990年レベルでの安定化(ゼロ削減)を繰り返した。

  • アメリカが「柔軟性」の名のもとに強く主張してきた抜け穴(例:ネットアプローチ、書類上の実態のない排出枠取引など)が依然、ひとつも塞がれていない。

  • 気候変動の緊急性と危険性を具体的に長々と述べたが、問題解決に必要な具体的な削減数値は示されなかった。具体的な行動が見えない、レトリックに満ちた声明であった。

  • 化石燃料業界のロビー団体をタバコ業界に例えて批判をしたが、この批判はアメリカの立場の変化には繋がっていない。
    副大統領は依然、石油・石炭・自動車・電力業界などの利益の人質となっている。

  • 橋本首相の演説とともに、ゴア副大統領の演説も小島嶼国の悲痛な訴えに応えているものではない。

  • ひとつだけ評価できるのは、代替フロンを含む6つの温室効果ガスすべてを、この京都で規制対象とするべきだとする従来の立場を強調したことである。



[以上、1997年12月8日プレスリリース]



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グリーンピース
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