アメリカを拠点とする国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは2011年2月1日、「石原慎太郎・東京都知事は同性愛者差別発言を撤回すべき」との声明を出した。
ヒューマン・ライツ・ウォッチは1978年に設立されたニューヨーク本拠の国際人権NGO(非政府組織)。公式サイトでは2010年12月初旬、石原都知事が同性愛者について「どこかやっぱり足りない感じがする」「遺伝とかのせい」と発言したということに言及。これに対し同団体のレズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー(LGBT)人権プログラムの調査員ディピカ・ナット氏が
「石原知事の発言はレズビアンやゲイの人びとへの偏見を増大させ、既に社会の片隅に追いやられている人びとに対する差別を悪化させる可能性がある」
と危惧を示している。また、声明の最後はナット氏の
「公職に就く者が特定のグループに対して軽蔑的な見方を表明することは、それらの人びとが尊厳を持って生きることを阻害する。自らが加えたダメージをしっかりと修復するのは知事の責任である」
との発言で締めくくられており、ヒューマン・ライツ・ウォッチが都知事に対して憤りを抱いていることがうかがわれる。この声明は日本語のほかに英語版も掲載されており、世界に発信されている。
【関連サイト】
日本:東京都知事は同性愛者差別発言を撤回すべき Human Rights Watch
(古川仁美)