国土交通省は、4月スタートを目指す高速道路の新料金で、瀬戸内しまなみ海道など本州四国連絡道路の割引制度を継続する方針を固めた。新たに導入する上限料金制の恩恵を受けない短距離の利用者が対象。沿線住民への影響に配慮し、現行制度を維持する。
本四連絡道路では現在、自動料金収受システム(ETC)搭載車を対象に平日昼間3割引き、夜間5割引きなどの割引がある。国交省は1月末、広島、岡山両県など沿線10府県市との調整会議で「現行の割引を維持する」と通知したという。
本四連絡道路をめぐっては、国交省が昨春、普通車で3千円の上限料金を導入し、現行の割引の大半を廃止すると発表。上限に達する長距離は安くなる一方、割引がなくなる短距離は高くなる料金案が示された。
しまなみ海道では、ETC搭載の普通車の平日昼間の料金が尾道インターチェンジ(IC)―因島北IC間で630円から900円に上昇。短距離利用が多い沿線住民にとっては値上げになるため、尾道市などが割引継続を求めていた。
国交省高速道路課は「新料金で利用者の負担が大きくならないようにしたい。おおむね3年は現行の割引を続ける方向」と説明する。
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