こんばんは。本日は「実用的英会話」に関するコラムです。先日、当サイト記事「TOEICスコア900点を獲得するリスニング強化法」が多くのアクセスを集めたように、英語学習の必要性が高まりつつあります。今回は「TOEICはハイスコアなのに英会話は苦手・・・」「実践的な英語習得方法がわからない」といった、典型的な日本人が直面する「読める・書けるのに英会話ができない」という問題の解決策を、筆者の留学経験をもとに書いていきたいと思います。
英会話で躓く3つの理由
「ボキャブラリー豊富で、ビジネス文章を読んだり書いたりすることはできる。ただ会話はさっぱり」というのが、典型的な日本人が一度は直面する問題ではないでしょうか。英語は「出来る」のですが、英語を「使うことができない」のです。実際に私の場合、留学先のアメリカ人の友人に、「ボキャブラリーもあってこんなに文法も正確にできるんだから、もっとお前の話をしろよ。なんでそんなにシャイなんだ?」と言われたことがあります。シャイなんかじゃなくて、ただほんとに言葉が出てこないんだが・・・と半泣きになった覚えがあります。
では、このように日本人の英会話が上達しない理由は何なのか。大きく3つあると考えます。
2:ボキャブラリーの使い方を知らない
3:英会話脳が発達していない
では、以下でそれぞれを詳しく述べていきいます。
実際の会話スピードに慣れる
まず最初のステップは「聞く」ことです。まずは相手が言っていることを理解しないことには会話が始りません。また会話表現や英語独特な言い回しなどは、ネイティブが話しているのを聞いて、「あっ、こういう言い方をするんだな」と一つ一つ盗んでいくのが最も早い習得方法です。まずは「聞く」ことができないかぎり英会話は上達しないですし、逆にいえば、もしネイティブの英語を完璧に聞くことができれば英会話力は飛躍的に伸びていきます。
具体的なリスニング力の伸ばし方は、こちらの記事「TOEICスコア900点を獲得するリスニング強化法」にありますので、そちらが参考になるかと思います。ただ、上記記事の強化法は英語初心者~中級レベルが対象です。というのもTOEIC900点を軽く超えるような実力を持つ人であっても、海外で実際にネイティブ同士の会話に参加しようとすると、「え、何を言っているか全く分からない・・・」という思考停止状態になることは珍しくないからです。これは実際の会話スピードや会話表現に慣れていないのが原因です。
実際にみなさんの普段の日本語を思い出してみてください。普段友人や家族と会話をするとき、NHKのアナウンサーが使っている日本語と比べて、よりスピーディーかつ簡略化された日本語を使っていませんか?普段の会話で、政治家が答弁するようなスピードで日本語を話しますか?これと英語も一緒なのです。
多くの日本人はTOEICなどのリスニング対策のために、教科書などに付属しているCDや海外のニュース番組などを教材として使用します。しかし、これらの英語は、とてもはっきりと正確にゆっくり話されているいわゆるオフィシャルな英語であって、普段の会話で使われる日常会話ではありません。こういった英語に慣れるためには、自然体の英語に多く触れることです。日本にいながらにしてそのような英語に触れる機会をつくるには、海外ドラマ、とくに普段の生活を描いたドラマを鑑賞することが最も効果的です。そのようなドラマで使われている英語は、日常使われている英語にとても近いのです。
数あるドラマのなかでもお勧めなのが『FRIENDS』。多くの英語教師が勧めるドラマであり、私が留学していた時も皆が口を揃えて推していました。『FRIENDS』では、フォーマル過ぎず、かといってくだけ過ぎてもいないという良い塩梅の英語が使われています。また、内容自体も面白いため、「英語の勉強」という感覚抜きに続けられることができるので飽きにくいという点でも優れています。リスニングテストは解けるけど、ネイティブ同士の会話についていけないという方はぜひ試してみてください。
ただ唯一の欠点かどうか分かりませんが、『FRIENDS』は下ネタが良く出てきます。まあ、スラングもお勉強できるドラマと捉えてしまえば問題はありません・・・
本物の表現を覚える
さてリスニングの問題をクリアした後に直面する問題は、ボキャブラリーの使い方を知らないことです。多くの日本人がインプットのためのインプットをしているため、文章で出てきたときは意味が分かるのに、実際に使おうとするとその単語が出てこない、というような状況に陥ります。実践の場で使える英語力を身につけようと考えるのであれば、単語の意味だけでなく、その使われ方も一緒に覚えるべきです。その際にとても役に立つのがスペースアルク英辞郎というオンライン辞書です。多くの例文が掲載されてあり、単語の意味だけでなく使い方も同時に調べることができるのでとても便利です。
例えば「留学」で検索すると、この画像のように表示されます。
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また日本語と同じように、英語にも会話でよく使う表現と、小説やニュース記事などでしか使わないようなかたい表現とが存在します。会話の際に使われる自然体の英語表現を学ぶためには、インタビュー記事や対談形式の記事を読むことをオススメします。この中で使われている英語は、実際にインタビューされている人や対談をしている人が使った言葉であり、極めて日常的な会話表現に触れることができます。無料で多くの著名人のインタビュー記事を読むことができる「Interview Magazine」は重宝するサイトです。
上記のインタビューがまず読めないんだけど・・・なんて人は、基礎的な単語力が不足しています。DUO 3.0をまずは勉強しましょう。その際も、単語の意味だけを丸暗記するのではなく、使い方も一緒に覚えます。DUO 3.0には例文がたくさん載っており、非常に勉強しやすくなっています。基本的にはここに載っている単語が理解でき使うことができれば、普段の会話で困ることは滅多にないでしょう。
会話の際に英作文はするな
自然な英語を聞けるようになって、会話表現をある程度覚えたのならば、次は「話す」段階です。話す際に大事なのは、「英作文をしない」ということです。はっきり言いますと、日本人が英作文なんかできるわけないのです。
英語というのは言語ですから、その作った英語が正しいかどうか、どのようなニュアンスを含むものなのかというのはどんなに勉強しても日本人には分かりません。日本人が「英語を作る」というのは幼少から海外に在住していた帰国子女を除いて、ほぼ不可能だと考えます。
それではどうすればいいのでしょうか。私がお勧めするのは『英借文』です。実際にネイティブが使っている英文や言い回しを借りてきて、これを組合わせて自分の言いたいことを言えるようにする、つまり「英語を借りてくる」のが英借文です。英辞郎やインタビュー記事、DUOなどといった単語帳から学んだイディオムや定型表現などはここで使います。
私は留学前に、自分に関する話題について100文ほど英借文をして暗記をしました。これは留学後すぐに役に立ちました。会話というのは自己紹介からはじまり、お互いの興味のあることの話で盛り上がっていくものですから、自分のバックグランドに関することや趣味に関することなどの英借文を100も用意しておけば、その組み合わせで十分会話ができてしまうのです。また、用意した英借文を実際に使っていくことでその英借文が洗練されていき、気付かぬうちにどんどん会話の引き出しが増えていきます。このように自分に関する英借文の引き出しを多数用意して、それを活用するというのが英会話上達のポイントです。
そして英借文ではカバーできない領域に関しては、LANG-8というサイトを活用しましょう。英作文をすると、ネイティブスピーカーによる添削が入ります。新しい表現を使いながら、日記を組み立てていくとネイティブから新しい用法を提示されて「なるほど!」と思うことが多々あります。こちらで、英借文のストックを増やしていきましょう。
しかし、英借文を用意したとしても、最初はなかなかスムーズに言葉が出てきません。これが最後の壁となります。
テストのように、少しでも時間が与えられればしっかり答えられます。ただ、会話のように瞬発的な反応が求められると詰まってしまう・・という方がこの段階にあると考えます。この壁を乗り越えるためには、ひたすらアウトプットを繰り返すしかありません。感覚的に反応して英語が出てくるという状態が目指すところです。しかしこのレベルにまで持っていくには根気が必要です。日本国内で英語を使う場に属するというのはかなり難しいことですが、とにかく10分でも毎日英語をアウトプットすることが大切です。
そこで、非常に有用なのはスカイプを利用した格安英会話のレアジョブです。レアジョブでは、フィリピン大学の学生がスカイプ英会話の相手になってくれます。スケジューリングは自分の都合がよい日で、講師の予約が入っていない日を設定できます。毎日夜にスケジューリングすることもできますので、なるべく経験値豊富な人気講師を選んで、英語を使う練習をしてみましょう。レッスンの際にはただ会話をするだけでなく、自分の英語に対してフィードバックをもらうようにすることが上達のポイントです。
また、日本にも外国人が集まるような場所があります。「外人バー」などのような場所に足を運ぶのも手でしょう。実際に「外人バー」というのは、海外では日本の文化として認識されており、「gaijin bar」というのがそのまま英語表現になっているくらいです。自分から動かない限り、日本においてはなかなか英語を使う機会というのは確保できないですから、英会話を上達させたいのであれば積極的に行動していきましょう。
「裏OB訪問:外資系社員が出没するクールなお店9選」で紹介しております西麻布MUSEも外国人の多いBARとして知られております。
最後に
とにかく、1時間でも10分でも毎日英語を使うことが重要です。自然な英会話スピードに慣れ会話表現を覚える傍ら、様々な機会を利用して積極的に英語を使うように心がけましょう。
(ライター:ゴメス)