3人認めた…八百長「やりました」

 報道陣に囲まれながら入間川部屋を出る恵那司
 報道陣に囲まれながら入間川部屋を出る恵那司

 大相撲の八百長メール問題で、2日に行われた理事会で事情を聴かれた13人のうち、竹縄親方(35)=元幕内春日錦、十両千代白鵬(27)=九重、三段目の恵那司(31)=入間川=の3人が八百長の事実を認めていたことが3日、明らかになった。さらに、千代白鵬は理事会で八百長をした対戦相手としてメールに登場しない、元十両で幕下、霧の若(27)=陸奥=の名前を挙げたことも判明。相撲協会は迅速な対応を迫られることになった。

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 メールを送受信した親方・力士が、やはり八百長に近い場所にいた。協会関係者によると、竹縄親方は最初に理事会で事情を聴かれた際は、協会が八百長メールの内容を入手していたことを知らず、しらを切っていたという。一度退席し、別の人物の後に再聴取を受けた際、協会がメールの内容を提示すると、観念するように「はい」と関与を認めたという。

 また、千代白鵬も当初は否定していたが、理事会出席者からメール内容の詳細を問われ「やりました」と認めたという。この日、引退届を相撲協会に提出したものの、受理されなかったという情報もある。恵那司は関取ではないため、仲介役として八百長に関わっていた。力士の連絡役、金銭の管理、勝ち役や負け役の振り分けなど実務的な立場であったとみられる。

 相撲協会は2日の理事会後、3人の名前の公表をしなかった。放駒理事長(元大関魁傑)は「まだ、これから調査をしなきゃいかんことだった」と理由を説明した。協会本部としては、あくまで特別調査委員会による聞き取り調査の結果を待ち、6日の理事会まで氏名の公表や処分を保留する考えでいる。

 また、2日の時点でメールに名前が出た力士・親方は13人だったが、これ以外に元十両の幕下霧の若が理事会で浮上していたことも新たに判明した。八百長に関与した力士の対戦相手として名前が挙げられたもの。相撲協会は特別調査委員会を通じた調査を行い、所管官庁である文部科学省には、この日の朝、報告した。

 名前が出た14人の中でも、八百長の嫌疑の度合いは大きく異なる。既に明らかになった八百長メールの内容によれば、翔天狼の場合、「翔天狼とはガチ(八百長でない)」という表記で登場するのみで、今回のケースに限れば八百長への関与を問うのは難しい。

 この日から特別調査委員会による14人の力士・親方への聞き取り調査がスタートした。3日は3人に行われ、4日は5人に行われる予定だ。八百長への関与の判定は、疑惑を認めた3人と、それ以外の力士・親方とで、大きく異なる内容になりそうだ。

(2011年2月3日)

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