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橋下府政に賛否 風通しよくなった/個人商店化 部長アンケート

 産経新聞が大阪府庁の部長級職員を対象に行ったアンケートでは、橋下徹知事に対する高評価の半面、手法の強引さに関する指摘や、府政運営に対するシビアな注文も少なくなかった。業績を認めつつ、組織のあり方や、政治色を強める橋下知事に不安や不満を抱く幹部の本音がかいま見える。

 就任当初は行政経験や後ろ盾がなく、単身大阪府庁に乗り込んだ橋下知事だが、今では強力なトップダウンで府政を率いている。

 アンケートの回答では、「堂々と反論してくれたらいい」という知事の言葉を真に受けて反論した職員が、厳しい処遇に遭ったと吐露したものも。「正直ものがばかを見る」「裸の王様になりつつあることに知事が気づいていない」と痛烈に批判していた。

 また、就任直後、大阪府を「破産会社」と表現した橋下知事だが、現在の府について「橋下徹の個人商店になっている」との指摘や、「府職員への応募が減少していることに不安も感じる」と、組織の将来を不安視する意見もあった。

 実は、今回のアンケートで最も厳しい批判が相次いだのは、橋下知事ではなく、前任の太田房江氏に対してだった。

 前府政に比べ、何が変わったのかを尋ねた質問では、「知事との風通しがよくなった。前知事は特定の職員にしか会おうとしなかった」「前知事は一部側近を除き、直接的な会話を嫌っていた」と、距離感の変化をうかがわせる記述が目立った。橋下知事は「恐怖政治」、太田府政は「緊張感がなさすぎ」と表現した人もいた。

 一方、橋下知事が最大のテーマとして掲げている、大阪市などの解体を伴う「大阪都構想」については、賛否が相半ばした。

 「構想には大賛成」「府市を合体し司令塔を一つにという問題意識を、府職員は根底的にずっと持ってきた」と賛成派がいる半面、「(平松邦夫・大阪市長らとの)政治対立が残念。このまま府民に選択を迫るのは酷」「府民生活への影響についての具体的議論が少ない」と反対意見も。「大阪都では現在の課題は解決しない。枠組みの話より、新たな連携を検討すべきだ」との提案もあり、幹部職員の間でも思いが交錯しているようだ。

 また、橋下知事が「大阪維新の会」の過半数獲得を目標とする4月の大阪府議選や大阪市議選などについては、「過半数獲得は困難」とみる回答が複数寄せられた。その結果、議会との対立が激化し「府の意思決定に支障をきたすのでは」という意見もあった。

「政治活動に力点」市幹部は辛口

 今回のアンケートでは、参考意見として大阪市の最高幹部である局長3人にも同様の質問を投げかけた。橋下知事への採点は「50点」「30点」「10点」と厳しく評価する一方、橋下知事と激しく対立するトップの平松市長に対しては「80点」1人、「70点」2人と高評価をつけた。

 橋下府政を「50点」とした局長は、「多くの人が地方自治を考えるきっかけを提供し、府政の関心を高めることができた」と認める半面、「政策実績は乏しい。前任の太田府政に比べ、独断的で職員が萎縮している」と指摘。「30点」とした人は「自分の意見を押し付け、意に沿わなければすぐけんか。政治活動に力点を置きすぎて知事として何をしたのか」と厳しく批判した。「10点」とした局長も「実績は上がっていない」とばっさり。「マスコミも府民も、もっと冷静な議論が必要だ」と評した。

 一方、平松市長については「地域力を大事にする」「前市長からの改革の取り組みを加速させている」と評価する半面、「苦労知らずでお子様的なところがある」「関西圏域を引っ張るビジョンに欠ける」という注文もついた。 

橋下府政に意見を募集

 産経新聞では、橋下府政に関する意見や感想、情報提供を募集しています。あて先は〒556―8661(住所不要)、産経新聞大阪本社社会部「地方自治取材班」。ファクス(06・6942・5629)、メール(osakafucho@sankei.co.jp)でも受け付けています。 

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