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橋下知事就任3年 「80点」「裸の王様」 大阪府部長 アンケート 

 6日で就任3年となる大阪府の橋下徹知事について、産経新聞は出先機関も含めた府の部長級職員を対象に、匿名形式でアンケートを行った。知事の3年間の評価を100点満点で尋ねた質問に回答した人の平均は約80点。「財政再建に道筋をつけた」「高い情報発信力」などが評価された。一方、強い行動力で府政を牽引(けんいん)する知事について「裸の王様になりつつある」「一貫性がなく思いついたアイデアで勝負している」といった厳しい意見も目立った。

 アンケートでは、橋下知事の業績▽課題▽採点▽前知事府政との違い▽橋下知事と対立する平松邦夫・大阪市長の評価▽統一地方選後の府政展望―の6項目について、記述式で質問。行政職、技術職の部長級職員ら44人のうち、26人(59%)から回答を得た。

 回答者のうち、知事への評価を点数化したのは16人。高得点が目立ち、中には「1年目95点、2年目85点、3年目80点」と1年ごとに採点した人も。「次第に独善傾向が強くなった」と指摘し、「(地域政党・大阪維新の会の)党首としての活動に精力を割き、行政の長としては疲れがみえるのが心配」とコメントしていた。この他、地域主権改革への取り組みを評価し「満点に近い」とする人がいる一方、「誤った教育改革、大阪の文化つぶし」と批判し、単に「マイナス」とする回答もあった。8人は「採点は府民がすること」「評価は後世に委ねる」などとして採点を避けた。

 3年間の最大の業績を聞く質問では「しがらみを絶って徹底的な行財政改革をした」「国と地方の関係に大きな変化をもたらした」など改革の積極性を評価する意見が多く、「行政は自己変革し続けなくてはならない。しかも、速い速度が求められると府庁に浸透させた」などと職員の意識改革に触れた人も目立った。

 ただ、4月の統一選以降の府の将来像については、知事の実績に高得点を付けた人でも、多くの課題や懸念材料を挙げた。

意見しにくい実態も

 橋下府政を間近に見る幹部職員たちの真意を尋ねた今回のアンケートでは、橋下知事の改革に対する評価の一方、「裸の王様」「衆愚政治」などと正面から批判する意見もあった。知事の賛美に終始する回答は少数で、知事の手腕を評価しつつ、問題意識を抱く様子がうかがえた。

 部長級職員は一般職員の最高位で、知事から直接方針を聞き、ときに意見を述べるなどして府政の方向性の決定に関与している。

 回答からは、橋下知事に対する期待感の半面、ときに独善的で軋轢(あつれき)を生みやすい手法への懸念がうかがえた。人事的制裁を恐れ、知事に意見しにくい実態があるという示唆もあった。

 今春の統一選に向け、橋下知事は「大阪維新の会」で過半数を取り、大阪都構想を一気に突き進めるビジョンを描く。選挙結果によっては、より強いリーダーシップを発揮することも想定される。役人気質の改善を目指しているとはいえ、府職員の能力を十分に発揮できない環境があるのだとすれば、知事の本意ではないだろう。職員との意識が乖離(かいり)しないためのコミュニケーションも求められそうだ。

(河居貴司) 

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