16年前、大阪市の路上で看護師の女性が刃物で刺され大けがをした事件で、時効が成立したあと自分が刺したことを認めた男に対し、被害者の女性らが「民事裁判で責任を追及したい」として5000万円余りの損害賠償を求める訴えを起こしました。
この事件は、平成7年1月、大阪・西成区の路上で、看護師の林裕子さん(50)が男に腰を刃物で刺されて大けがをしたもので、林さんは後遺症のため車いすでの生活を余儀なくされています。去年6月、現場に残された指紋から警察が行方を捜査していた60歳の男が見つかり、林さんを刺したことを認めましたが、時効が成立してからおよそ5か月がたっていたため、不起訴となっています。林さんと夫の良平さんは「犯行を認めたにもかかわらず、時効が成立してしまったので、民事裁判で責任を追及したい」などとして、5000万円余りの損害賠償を求める訴えを大阪地方裁判所に起こしました。訴えを起こしたあと、良平さんは記者会見し、「裁判を通じて事件の動機やいきさつなどを明らかにしたい」と話しました。