本庄保険金殺人 八木茂被告の死刑確定
2008年07月17日
連日、テレビのワイドショーを騒がせた埼玉県本庄市の保険金殺人事件というのがあった。なんせ、容疑者とされた八木茂が、マスコミ関係者をあつめて、有料会見を200回以上ひらいたという、まさに劇場型の犯罪。
八木茂は、愛人だった3人の女性と共謀(いずれも実刑が確定)して、平成7年6月、佐藤修一さん=当時(45)=に猛毒のトリカブト入りのあんパンを食べさせて殺害し、保険金約3億円を詐取。
10〜11年にかけ、風邪薬と酒を大量に飲ませるなどして、元パチンコ店員、森田昭さん=当時(61)=を副作用で殺害。同様の手口で男性1人を殺害しようとした。
殺人などの罪に問われた八木茂被告(58)の上告審判決が7月17日、最高裁第1小法廷であった。泉徳治裁判長は八木被告側の上告を棄却した。八木被告を死刑とした1、2審判決が確定した。
詳しくは:八木茂被告に関するニュース
実は、この事件のスクープというか、発掘したのは、業界ではみなしっているけれど、うちのボスである。そのきっかけとなったのは、
「同様の手口で男性1人が殺害されようとした」
この男性が、人を介して、当事務所というか、ボスのところにかけこんできたことから始まる。
殺されかけた男性がいうには、「埼玉県警に相談してもまったくらちがあかない。すでに、保険金殺人で2人が殺されている。次はオレが殺されるかもしれない」・・・・・・。
ここから、聴取と取材がはじまった。
と書くと簡単かもしれないけれど、当時の埼玉県警は、まったく捜査をするつもりはなかった。この事件がややっこしいのは、3人の愛人がそれぞれに共犯者となり、さらに殺人の手口が、「猛毒のトリカブト」「風邪薬と大量の酒」といった密室性の高い手口だったこと・・・・。
しかも、当初は、その殺人の手口は分からなかった。
たしかに、埼玉県警としても、着手しにくい事件だった。
これについては、当方のボスに語って欲しいのだけど、「死刑が確定したか・・・やっと、おわったな」(ボス談)ということで、何も話さない。死刑が確定したということで、実は、テレビをふくめて数社から取材依頼がきていたのだけど、「当時のマスコミの総合力だよ。ワイドショーもふくめて。ここから警察もうごいた。ここから重要な証拠がでてきた」(ボス談)ということで、まったく応じる気配がない。
当時の様子をしっている辻野記者と北岡記者に解説してもらおう。
「殺されるかもしれない。ということで、一人の男性が駆け込んできた。そこで3日間にわたって聴取した。さらに1週間かけて現地の内偵取材をした。この時点では、元パチンコ店員、森田昭さんの殺人の容疑だった。この森田さんの様子をよくしるのが、殺されるかもしれないとして、ボスのところに駆け込んできた人。
一緒に現地やら、埼玉県警に取材にいったけれど、限りなくクロにちかいけれど、証拠がない・・・・・という、一つ間違えると迷宮入りするかもしれない事件だった。それよりも、重要だったのが、この殺されるかもしれないといってきた男性の身の安全の確保だった。八木茂は、その筋の人間との交流もあった。埼玉県警は当時は、そこまで手がまわらない。
そこで、講談社のフライデー、週刊現代の両編集長に相談した。これは、取材費の確保というよりは、殺されるかもしれないといっている男性の身の安全を確保するための手段を講じるためだった。こういう時というのは、新聞社やテレビ局よりも、いわゆる大手出版社のほうが融通がきく。別に新潮社でも、文芸春秋社でもよかったのだけど、たまたま講談社だった。こういう時は、いわゆる雑誌を出版している大手にかぎるのだな。融通のきく編集長なら誰でもよかったわけだ。これが、事件が騒がれる約半年前のことだ」(辻野記者談)
交通事故でもそうだけれど、まずは、身の安全を確保するというのが、記者というよりは、人間として基本なのだそうだ。
しかし、この事件は難航した。まず、3人の愛人といわれている女性の関係図が複雑であったこと。その一人がフィリピン人であったこと。愛人関係にある女同志というのは、愛情と、嫉妬と、牽制と、妙な連帯感が生まれる。まして3人もいる。共犯者の秘密保持という不思議な現象がおきる。
そして、事件の第一報が報じられる。
事件の取材開始から半年後。
しかし、残念ながら、その第一報は、うちのボスでなかった。
実は、産経新聞の短い記事だった。
「これはやむを得なかった。この取材では、ボスの方針により、スクープを抜くことよりも、事件の真相解明に方針が転換されたからだ。そのためには、捜査に着手していない、埼玉県警に正確な情報を提供しつづけて、とにかく捜査に動かすことが大事になる。何人もの刑事にあった。埼玉県警の幹部にもあった。警視庁にもアプローチした。その過程で、捜査関係者が、産経新聞にリークした。それを産経新聞が書いた」(北岡記者談)
もちろん、その後で、フライデー、週刊現代と詳細な記事がでた。
これをみて、各マスコミが一斉にうごいた。
しかし、この段階でも、「事件の全容はまだみえていない」(北岡記者談)
ここでのポイントは、「新聞、雑誌も大事だけど、テレビのワイドショーが一斉にうごいたことだな。というか、ボスが、動く方向にもっていった。テレビのワイドショーというと馬鹿にする人がいるかもしれないけれど、世論をうごかし、さらに、警察を動かす力になる。この辺は、現場の記者でないとわからないだろう。いわゆる現場力というやつだ」(辻野記者談)
連日、テレビのワイドショーが報じた。
そして、埼玉県警も、本格的な捜査に着手した。
しかし、まってほしい。
実は、ここから困難な時間がかかる。
マスコミは騒いだけれで、殺人の手口、3人の愛人の共犯関係については、実は、だれもきっちりと解明できていなかった。
実行犯である八木茂の方がよくしっていた。
実行犯であるからこそ、知っていたということになる。
「マスコミも、埼玉県警も、事件の真相にちかづいていない」・・・・・ということだ。
それから、劇場型の事件報道は、約1年ほど継続する。
八木茂は、マスコミを手玉にとり、200回以上の有料会見をひらいたりする。
「八木茂は、多くのマスコミを手玉にとったつもりでいた。実際に事件取材が1年もかかると、手玉にとられた記者もマスコミもいた。しかし、うちのボスとこの事件に最初に着手した、フライデーと週刊現代の取材チームだけは、手玉にとることができなかった。この辺については、詳細にかたることはできないが、ま、うちのボスらがいろいろと、やったわけだ。当然、ボスの携帯と埼玉県警の捜査本部の直電は、ダイレクトにつながっていた。しかし、そのことをボスは誰にもはなさなかった」(北岡記者)
そして死刑判決が確定した今後も、「ボスは話すことはないだろう」(辻野記者談)
そういえば、こんな番外編もあった。
八木茂が、有料会見を開いたあとに、2人の暴漢が、八木茂を襲撃した。
この時、ボスは、フライデーの取材チームと一緒に現場にいた。この暴漢と大立ち回りをやったのが、ボスとフライデーの取材チームだった。
「八木を守れ!」(ボス談)という檄がとんだそうだ。実際に、ボスが真っ先に体をていして八木を守った。この時、実は、フォーカスと、スポーツ新聞が、この模様を写真に撮った。そして紙面にした。見ると、しっかりと、ボスと、フライデーの編集者とカメラマンが写っている。
つまり、フライデーは、写真をとることができなかった。被写体になってしまったのだ。当時の、フライデーの編集長は、「バカヤロー!写真週刊誌が、写真をとらずに、なぜ、他誌の写真にうつっているのだ!だいたい、松永はなんで、こんなに大きくうつっているのだ!」と怒鳴ったが、実は、わらっていた。
「おまえら、よーやった」というわけだ。これも現場である。
さて、この八木茂襲撃事件で、八木をまもったボスや、取材チームは、実はこれをきっかけにして、八木の愛人の一人(現場にいた愛人)から、信頼されるようになる。
実は、ここから事件がうごく。
ろくでもない雑誌記者の現場の裏話のほんのさわりでした。
この後の、続編はありません。
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コメント一覧
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- 2008年07月18日 11:08
- やはり、うちの番組にでてください。一度は断られましたが、この記事を読んで、ますます、松永さんに話して欲しくなった。事件の真相解明です。これは、類似事件の再犯を防止になります。
よろしくお願いします。
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- 2008年07月18日 14:55
- ボス、ますます尊敬。。。。。
で、感動しているので、衝動買いで本買った。(高い(涙
読んだら、感想送ろう。。。。
そしたら、内緒でいろいろ教えてね。
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- 2008年07月19日 12:30
- 松永さん、思い出しますね。
松永さんが、「相手が、凶器をもっているかどうか、確認しろ!」「道具の確認だ!」と大声でどなったのを今でも忘れません。
松永さんの、フライデーの取材チームはまさに、大立ち回りを演じた。体の大きい編集者いましたね・・・。彼は強かった。あと、よわっちい記者がいたけれど、殴り飛ばされても暴漢にたちむかっていった。お見事です。
私は、実は何もできずに、(写真を撮ることも出来なかった)、呆然としていた。お恥ずかしい話です。
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- 2008年07月19日 16:23
- 素晴らしいネタが一杯あるのに、
よんでるそばから辛くなる。
北岡、カムバック
ま、読まなきゃいいんだよね。
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- 2008年07月25日 00:44
- takkyuとかいう、保守の論陣のパクリサイトやっている人。
おまえ、うるさいぞ!
おまえが、ここにくるには、一生早い!パクリやは、ぱくりやらしく、謙虚にしていろ!
気安く、北岡さんを、呼び捨てにするな!
こそくに、リンクはって、アクセス乞食するな!
おまえは、くるな!
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- 2008年07月25日 01:11
- わけわからず、コメントかきまくっていたspringさんみたいひともいます。とおもえば、takkyuさんみたいひともいます。
ネットで肥大した自己愛を満たそうとするわけですね。そこで、コメント書くことで、オフイス・マツナガさんと同一になったような気がする。
お二人とも、うつ病です。
うつ病というよりは、本当は、人格障害なんですがね。うつ病というのは、うまい言い訳になるわけです。
病人ですから、あまり刺激的なことは書かない方がいいかとおもいます。被害妄想を引き起こします。
お二人にいえることは、障害者な自分を受け入れて、デイケアでも通って地道に社会復帰を目指したほうがいいということです。つまり、早く、現実を受け入れることなんですがね。
なんにしても、早く治るといいでのすがね。できたら、ブログなんてしないほうがいいのですが・・・・。ブログも罪つくりなんです。本当は・・・・。
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- 2008年07月25日 06:59
- 天使さん。忠告ありがとうございます。前のコメントを撤退、修正させていただきます。
takkyuさん。暴言お許し下さい。
頑張って、いいブログつくってください。早く、病気治るといいですね。
失礼しました。
その民事訴訟は却下されたときいていますが・・・。ご苦労さまでした。
しかし、もう少し、真相をしりたいけれど・・・・。ボスの方針なら、いたしかたないか・・・。