鳩山由紀夫氏
【東京】鳩山由紀夫前首相は2日、都内の日本外国特派員協会で講演し、米軍普天間飛行場の名護市辺野古崎移設に関し、暫定的なものとして県民理解を求めたい考えを示す一方で、沖縄の反対が続く場合は合意見直しの必要性にも言及した。辺野古回帰については「国外・県外移設」に対する官僚の消極姿勢と自身のリーダーシップの欠如が原因だと述べた。日米地位協定改定は、事務方に指示したが米側の抵抗が強かったと振り返った。
県内移設回帰への県民の怒りに対しては「非常につらい思い」と話した。辺野古移設の可能性には「楽観できない」と厳しい認識を示した。その上で現状固定化を避けるべきだと強調し「これはのめないという状況なら他の方法も必要になる」と合意見直しの必要性にも言及した。
政府としての取り組みでは「米国の圧力よりも、日本の役所の中の論理にも(国外県外は)なかった。それを押し切るだけの意思を強く主張できなかった」と官僚側は辺野古ありきだったと説明した。
安全保障では「一国の領土に他国の軍隊が存在して安全が守られているのは世界史的に当然とは思っていない」と述べ、持論の「常時駐留なき安保」で当初、普天間の「国外・県外移設」を目指す考えだったと話した。
普天間の県外移設ができなかった理由に、米側がヘリ部隊と地上部隊の一体運用を強く主張したことを挙げた。その上で両方をまとめて県外に移設する方策について「海兵隊全体の海外移設が可能ならば模索もできたが、時間的にも不可能だった」と述べた。
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