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八百長疑惑:恵那司力士が仲介役か メール全容判明

恵那司力士
恵那司力士

 大相撲の八百長疑惑で、警視庁が押収した携帯電話に残された八百長をうかがわせるメール46通の全容が明らかになった。このうち27通は三段目・恵那司力士(31)が送受信したメールで、「相撲の内容はどんな感じですか」「今日はまっすぐ思いっきりあたっていきます」などとやり取りし、力士間の調整をする仲介役を担っていたとみられる。恵那司力士は日本相撲協会理事会の聴取に関与を認め、3日は報道陣に「否定はしません」と話した。恵那司力士を介した八百長グループがあり、さらに関与者が拡大する可能性も浮上した。【町田徳丈】

 昨年3~6月にメールをやり取りしていたのは、このほか▽十両・千代白鵬関(27)▽元前頭・春日錦関(35)=現竹縄親方▽十両・清瀬海関(26)。清瀬海関を除く3人は理事会の聴取に関与を認めている。

 昨年5月12日の恵那司力士から春日錦関へのメールは「南海(旭南海)さんが貸してるのを豊関(豊桜)に移行してもらいたいみたいで、豊関とあたったらコケてもらいたいみたいです。そして新たに南海、天狼(若天狼)、錦関(春日錦)と3人で回したいみたいです」。4人の力士の名前が記され、複数の力士の意向を知る立場にいることが分かる。

 3月17日に春日錦関が恵那司力士に送った「俺は誰に借りているかな? 貸しは光龍と山本山だけだよね」は恵那司力士が複数の力士への星の「貸し」を把握していると読み取れる。5月14日には千代白鵬関からも同様に「光龍は借りてるとこはないんですか」と聞かれていた。また「今日の清(清瀬海)と豊(豊桜)さんのはどんな感じになっているかな?」と春日錦関から受信しており、これも2人の意向が分かるからこそ聞かれる内容だ。

 メールに名前が記されるなどして協会特別調査委員会の調査対象となった14人以外の力士の関与をうかがわせる文面もある。3月22日、千代白鵬関に対し恵那司力士は「今日はまっすぐ思いっきりあたっていきます」と送った。この日、千代白鵬関は13人以外と対戦し負けた。恵那司力士が他の力士の意向を伝達したとも受け取れる。

 勝敗を予測しているかのようなメールもある。5月12日に恵那司力士が春日錦関へ送ったメールでは「相手に叩きはなしで(中略)寄り切りかすくい投げ辺りがベストだと思いますよ~」と相手の取り口を紹介し、決まり手を提案している。翌日に春日錦が送り出しで若天狼に勝っている。

毎日新聞 2011年2月3日 21時03分(最終更新 2月3日 21時36分)

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