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自分のことは棚に上げて

 民主党のマニフェストが発表され、それに対して与党や一部の経
済アナリストから財源が明確ではなく、本当に実現可能か疑わしい
と批判されている。しかし、私は財源に関しては心配無用で、民主
党の主張している政策は実現できると考えている。

 ただしそのためには条件があり、それは、これまで行ってきた政
策の中で、中止しなければならない事業があるということである。
例えばそれが、天下り先の補助金になるのか、無駄な公共事業なの
かは、今後検討する必要はあるが、民主党の主張している政策の実
現は可能なのである。

 ところで、与党は財源論を展開しているが、彼らにそのことを言
える資格があるのだろうか。補正予算も結局赤字国債を発行して行
った。これは、一時的なものであって、恒久的ではないから仕方が
ないと主張するが、それでは、毎年新規の国債を30兆円前後発行
し、借金の額を増やし続けたことに関しては、どのように説明する
のだろうか。

 これは、一時的なことではない。小渕内閣以降、ずっとこのよう
な状況が続いている。自分たちが行ってきた予算編成は、税収減も
あって、結局赤字国債に頼りっきりではなかったか。自分たちの行
ってきたことは棚に上げて、良く民主党だけを批判できるものだと
感心させられてしまう。

 借金の額が増えても、経済規模が大きくなれば問題はない。しか
し、今の日本は、政策の間違いにより、経済規模の拡大に比して借
金の増加の割合が大きくなったため、このような結果になっている
のである。

 経済の規模が拡大しなかった最大の原因は、指摘されているよう
に、内需が拡大しないことである。これは、いつも書いているよう
に、将来の不安や現在の不安があるからであり、その元凶は誰なの
かと言えば、私は、小泉総理そして竹中大臣にあると思っている。

 何故ならば、あまりにも個人に責任を負わせたからである。その
ために、自分で自分の身を守らなければならなくなり、その結果、
国民の皆さんが貯蓄せざるを得ないと感じたから、内需は拡大しな
いのである。勿論、可処分所得も減り、日常の生活を切り詰めなけ
ればならないという実態も理解している。

 小泉−竹中改革の全てを否定はしないが、方向性は間違いだった
のである。与党は、小泉−竹中改革の負の部分を修正すると言って
いるが、この程度では、この国は良くならない。この国を良くする
ためには、小泉−竹中改革を否定することから始めなければならな
い。そのためには政権交代しかないと強く感じている。
桜井充 * メルマガ * 15:44 * comments(1) * trackbacks(0)

オオカミ親父がやっと解散した

 21日、麻生総理の手で国会を解散した。「然るべき時に私が判
断して」と言い続けていたが、結果的には追い詰められた結果の解
散であり、自分の判断は何もなかった。最後まで情けない総理であ
った。

 さて、社会全体の雰囲気も変わってきていて、地元のある商工会
議所では、自民党の政策と民主党の政策を比較していると言う。ま
た、ある協会からは、民主党の政策を支持することにしたと言われ
た。この協会は、自民党の職域支部の一つである。

 昨日は、私が中心になって作成した「金融アセスメント法案」の
説明を求めて、事務所を訪ねてこられた方がいた。民主党政権にな
れば、このような法案が成立するということを、企業に説明するた
めだという。

 先週、地元のある医師会の有志から、食事をしながら意見交換を
したいと言われ、会合を行った。民主党の医療政策だけではなく、
経済を含めて、全般的な問題について話し合いを行った。極めて友
好的な雰囲気であった。

 これまでの選挙でも、政権交代をかけた戦いであるということを
盛んにアピールしてきたが、この思いは私たち当事者だけで、社会
全体ではまだまだという雰囲気だった。しかし、今はとりあえずや
らせてみよう、あるいはさらに踏み込んで、どのように変わるのか
ということを知りたいというように、社会全体が変わってきている
ように思える。

 しかし、問題はこれからである。例えば、以前の選挙で高速道路
の無料化を掲げて戦ったが、予定候補者が質問にうまく答えられず
に、非現実的な案であると与党から批判された。

 マニフェストを公表しないのは、自民党にまねされたくないから
だというが、議員の経験のない人たちに、マニフェストの内容を直
接説明する時間もなく、これで彼らがうまく説明することができる
のか、かなり不安である。斯くいう私とて、十分説明できるか、か
なり怪しい。

 8月30日までは、まだまだ時間はある。今後どのようなことが
起こるか分からないが、油断することなく、全力で戦っていきたい。
政権交代を行って、私たちの暮らしを変えていく、その第一歩を踏
み出せればと思っている。
桜井充 * メルマガ * 15:20 * comments(0) * trackbacks(0)

小田原評定

やっと、解散の日程が決まった。一連の地方選挙や東京都議会議員選挙の結果を見れば、与党は麻生総理で選挙をやりたくないだろう。しかし、これまで安倍そして福田総理と、二人共総理の座を投げ出してきた経緯を考えれば、顔を変えられないと判断したのだろう。

 私は、麻生さんが総理になってから、少なくとも2回は解散のチャンスがあったと思っている。一度目は就任直後、二回目は参議院で本予算を否決したときである。

 この時であれば、結果はどのようになっていたのかわからない。しかし、この2度のチャンスを逃し、最悪のタイミングで解散しなければならなくなったのは、総理の決断力が欠如しているからである。

 いつまでも相談事が決まらないことを小田原評定という。豊臣秀吉が小田原城を攻めた時、城内で和戦の評定が、なかなか決まらなかったことに由来しているが、評定に時間を要した結果、北条家は潰れていくことなる。

 今回の麻生総理の態度を見ていると、この時の小田原評定と極めて似ている。要するに、リーダーの決断力の欠如が最悪の結果を招いているからである。解散の時期すら決められなかった人にリーダーの資格はない。

 考えてみれば、政党間のパワーゲームの点からみれば、麻生さんが総理であったことは本当にありがたい。しかし、我が国全体のことを考えれば、決断力というリーダーに一番必要な資質がない人が総理であることが、我が国の国民の皆さんにとって不幸であることは間違いない。

 民主党にとっては、こんなチャンスはない。油断することなく戦えば、結果は自ずとついてくると確信している。それ以上に歓迎すべき点は、日本のリーダーを変えることができるということである。政治に諦めることなく、私たちに一度託していただきたいと考えている。
桜井充 * メルマガ * 10:56 * comments(2) * trackbacks(0)

後だしジャンケン

 臓器移植法案の審議が佳境を迎えている。本日、厚生労働委員会での審議の打ち切りが宣言され、明日の本会議で中間報告される予定である。これまで、本会議で趣旨説明が行われた法律案は、衆議院から送付されてきたA案と、参議院の有志が提案したE案である。

 前者は小児にも移植医療の道を開くものであり、後者は小児脳死臨調を作り、小児の移植医療に関して、今後一年かけて検討するというものである。これまで、この二つの法律案に関してのみ審議が行われてきたのだが、昨日A案の修正案が厚生労働委員会に提出された。

 今日の夕方の委員会で、A案の修正案の趣旨説明が行われるが、その後は自由討議で、実質上の審査が行われることはない。ここからが問題なのだが、この審議されていない修正案が、今後どのように取り扱われるかである。

 この修正案は委員会に上程されているので、本来であれば委員会で採決を行って、修正案か原案のどちらかが本会議に付託されることになる。ところが、今回は委員会で採決されず、委員会での結論を出さずに中間報告という形で本会議に上程される。

 このままでは、この修正案は委員会でも本会議でも採決されなくなるので、明日の本会議で中間報告の後、異例のことだが討論を行い、その後緊急動議が提出され、本会議場で修正案の趣旨説明を行うことになる。

 明日は中間報告のみで、採決は行われず、後日採決が行われることになるのだが、問題はここからである。日程は分からないが、本会議で採決が行われる場合、国会のルール上、最初にA案の修正案の採決が行われる。

 仮に、ここでA案の修正案が可決されれば、A案及びE案の採決は行われない。何故ならば、一つの法律案が可決されると、他の法律案は採決しないというのが、国会のルールだからである。さて、そうなると国会できちんとした審議がなされていないA案の修正案が参議院の意志となる。

 こんなことが許されていいのだろうか。他の法律案は、委員会で審議が行われてきた。特にA案は、衆議院の委員会でも審議が行われてきた。この審議の過程で、A案の内容が明らかになってきた。

 余談だが、一昨日久しぶりに質問させていただいたが、A案の答弁者が法律に書いていない、人の死は脳死であるということを前提に答弁していることに対して、強い違和感を覚えた。この答弁が、人の死は脳死であるということを法律には明記されていないのに、A案の法律案では、人の死は脳死であると書かれているように誤解を与えてしまった。

 さて、本題に戻るが、国会で十分な審議をしていない修正案が可決されることは許されることなのだろうか。このようなことになれば、国会の審議は形骸化することになる。審議は不要だと言われかねない。

 このA案の修正案は、A案の修正案ではなく、対案として提出されれば取扱いは変わってくる。対案の場合は、A案およびE案と横並びになるので、緊急動議を提出しなくても本会議で趣旨説明を行ことができ、委員会に差し戻して審議を行うことができる。このことを考えれば、A案の修正案提出者は、修正案ではなく対案として提出するべきである。その上で、きちんとした審査を行うべきである。

 採決がいつ行われるのかわからないが、このA案の修正案が可決した場合、国会で十分な審議をしていない法律案が参議院の意志となり、このことは国会審議上大きな禍根を残すことになると思う。参議院の自殺行為になるような行動を改めてもらいたいと願っている。
桜井充 * メルマガ * 14:07 * comments(0) * trackbacks(0)

情けない

 内閣の一部改造が行われた。いつものことだが、麻生総理は花火を打ち上げはするが、与党の反対にあって、ほとんど何もできない。今回も内閣改造や党内人事にも言及していたが、2名の大臣が任命されただけである。

 今、麻生総理が総理であり続けることを望んでいる人はどれだけいるのだろうか。相変わらず解散権をかざして偉そうなことを言っているが、解散権をおもちゃにする行為は許されるものではないし、逃げ回らず早く国民の信を問うてもらいたいと思う。

 経済指標をみても、景気回復には程遠い。失業率も実際に発表されている数字よりかなり悪い。それは、雇用助成金によって、職を得ている人たちがいるからである。ただし、逆のとらえ方をすれば、政府の対策が効果的であるということになる。

 その点から考えれば、政府の政策はカンフル剤としては効果的かもしれないが、その効果は限定的であるということになる。カンフル剤がある程度効いているうちに根本的治療を行わなければ、カンフル剤も無意味なものになってしまう。

 いつも申し上げていることだが、超高齢社会であり、医療や介護のニーズは極めて高い。この分野に資源を投下し、雇用を拡大すること、そして医療器具や介護用品を開発して産業を活性化するべきである。

 ところが、現在の予算の組み方では、前年度ベースで考えているために、大胆な変換が図れない。この点が大きな問題であり、自民党政権でできないのであれば、この点ひとつとっても、政権交代を行う意味がある。

 現在の政府の政策は、多種多様なカンフル剤が用意されている。しかし、根本的な治療が行われないから問題なのである。わが国の元気を取り戻すために、一日も早い総選挙を行うべきである。
桜井充 * メルマガ * 14:07 * comments(0) * trackbacks(0)
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