UAE向け原発輸出、巨額融資非公表に批判(下)
■金融支援で損害は発生するのか
韓国政府は輸出入銀行を通じ、期間28年で100億ドルをUAEに融資する計画を進めている。しかし、信用格付け会社のスタンダード&プアーズ(S&P)によるUAEの国家格付けは「ダブルA」なのに対し、韓国は「シングルA」で、韓国の方が格付けが低い。韓国がUAEよりも高い金利コストで国際金融市場から資金を調達し、UAEの基準に合わせた低金利で融資を行えば、逆ざや(損害)が生じるとの見方がある。
これについて、輸出入銀行のキム・ヨンモン原子力事業チーム長は「国家間の輸出は、経済開発協力機構(OECD)ガイドラインに従わなければならないため、低金利で融資することはない。損害が生じることはないはずだ」と説明した。
OECDガイドラインとは、OECD加盟国の国策銀行が商業銀行より低金利で輸出向け融資支援を行うことを禁じる規定だ。キム・チーム長は「万一韓国が提示した金利が高ければ、UAEは他の商業銀行から資金を調達すればよい」と指摘した。
ただし、輸出入銀行が28年という長期融資を前提に資金調達を行うのは無理がある。韓国金融研究院のチョン・チャンウ先任研究委員は「融資期間が長すぎるため、市中銀行が資金支援に参加するのは難しいのではないか」と指摘した。このため、輸出入銀行は協調融資を行う銀行団を昨年第1四半期までに結成する計画だったが、いまだに実現していない。
■起工式はなぜ延期されたか
韓国政府が当初、昨年末にUAEで行うとしていた起工式は無期限延期されている。一部には韓国が提供を約束した金融支援がうまくいかず、UAEが起工式を延期しているではないかとの見方もある。
韓国政府関係者は「UAE内部の環境影響評価などで日程が遅れているもので、早ければ来月にも起工式が行われる」と説明した。
施工を担当する韓国電力公社の関係者は「現在敷地の整備作業や建設労働者の宿舎建設を進めている。計画通り、来年下半期には本工事に入る計画だ」と述べた。同公社は2017年から毎年1基、20年までに計4基の原発を完成させる計画としている。
李性勲(イ・ソンフン)記者