チョゴリ切り裂き事件(改訂版)

(2002/09/21)
※2002年9月17日の日朝首脳会談で、金正日は小泉首相に対し、日本人拉致事件は
北朝鮮の仕業だと認め、謝罪しました。この件を契機に、以前圧縮版でアップして
いた当文書を解凍、再アップいたします。
実は、非常に恥ずかしい用語ミスがありまして、こっそり修正いたします。
(flamingとframe-upを混同していたのですね)


「チョゴリ切り裂き事件」

 北朝鮮がらみの事件が起こるたびに、日本国内で発生する「チョゴリ切り裂き事件」。その犯人像は、しかし、謎に包まれている。
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#2545/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 98/10/15 23:11 (154)
「チョゴリ切り裂き事件」検証の試み(1)    三鷹板吉
★内容

 先日、日比谷図書館で、きむ・むい氏のルポが掲載された「宝島30」
の現物を確認してきました。表題は「『チマ・チョゴリ切り裂き事件』
の疑惑」です。

 まず最初に、きむ・むい氏のルポは、「事件は朝鮮総聯による自作
自演のでっちあげ」と断言するものではありません。このことはこの
場でハッキリ申し上げておきます。三鷹の今までのMSGを読んで、
そのような誤解を抱く方がいらっしゃったとしたら、訂正いたします。

 もひとつ訂正です。きむ・むい氏の上記ルポが掲載された「宝島30」
は94年(平成6年)12月号でした。「平成6年2月号」という現代コリア
研究所の記述は誤りです。

 以下、ルポの記述に沿いつつ、94年の「チョゴリ切り裂き事件」を、
時系列的に素描いたします。

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 94年4月、北朝鮮が「ノドン1号」発射実験を行い、核開発疑惑が報
じられる。

 5月25日、朝日新聞が「子どもたちに各地で嫌がらせ チマ・チョゴ
リの通学中止 栃木の朝鮮学校」との記事を報じる。これが「チョゴ
リ切り裂き事件」の第一報。その後、他紙も後追い報道する。

 5月末から6月にかけて、朝日を中心に「チマ・チョゴリ事件」が連
日のように報道される。
 報道内容は、きむ・むい氏の要約によれば「核疑惑報道によって煽
られた差別意識によって、心ない日本人男性が朝鮮学校の女子生徒の
チマ・チョゴリを切っているのは許せない」というもの。

 7月12日、きむ・むい氏、警察庁に取材申し込みをし、捜査資料を送
付してもらう。きむ・むい氏による要約は以下の通り。

「朝鮮学校生に対する嫌がらせ事案について
 [嫌がらせ事案の発生状況]
 被害届けにより警察が認知したものとして報告を受けているものは、
本年4月以降、22件である(7月11日現在)。
 その形態としては、22件中12件(うち東京8件、埼玉2件、神奈川1件、
福岡1件)は登下校中の女子生徒が列車内等で衣服を切られたという事
案であり、その外に、暴行及び傷害事件が8件。窃盗と強制わいせつ事
案が各1件である。
 警察としては、この種事案については、必要な捜査を行い、申告の
あった22件中2件についてはすでに被疑者を検挙しているところである。
 そのほかの20件については、被害届を受理し、必要な捜査を推進中
である」

 この時点で朝日は「被害数124件」と報じている。被害届と比較する
と7倍近い格差がある。

 7月、金日成死去。
 以後、「チョゴリ切り裂き事件」報道が鳴りをひそめる。
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 以下、三鷹のコメントも交えつつ、きむ・むい氏のルポを紹介しま
す。

 5月末から6月の連日報道に対して、きむ・むい氏の周囲では「どう
もおかしい、何かうさん臭い感じがする」「事件の内容が何だかでき
すぎていて、嘘っぽい」との声が、日本人、在日共通して挙げられる。
きむ・むい氏も新聞記事の記述に疑問を感じる・・・こうした心証を
もとに、きむ・むい氏は取材を始めたようです。

 きむ・むい氏の警察庁への取材によって、被害届と朝日報道による
被害件数の格差が明らかになります。きむ・むい氏も書いているよう
に、被害届が無いから事件も無い、とは必ずしも言えませんが、7倍
というのは、ちょと極端すぎるように三鷹は思います。

 きむ・むい氏による、「チョゴリ切り裂き事件」を取材していた
「ある全国紙の社会部記者」の証言。

「同じ新聞記者として、正直に言えば、ぼくも朝日さんの報道内容に
はかなりの疑問を持っているんです。朝鮮総聯さんが開く記者会見で、
被害数が何件、と発表されると、必ず『それは例年に比べて多いので
すか、少ないのですか』という質問が出る。ところが、回答は『通常
はそういう統計をとっていないからわからない』なんです。データと
して不確かなものを、新聞が無批判に掲載していいのかと思います。
(中略)
 記者クラブでも、この一連の事件について、何だか不自然だ、と感
想をもらす者がいます。すると、必ずといっていいほど、”進歩的”
な新聞記者から次のような言葉が返ってくる。『じゃあ、お前は彼女
たちが自分で切っているとでもいうのか!』こう言われると、日本人
の朝鮮への侵略・差別の歴史への贖罪感をつかれてしまって、もう何
も言えなくなるんです」

 きむ・むい氏は朝鮮高校のOG、OBに取材し、以下のような証言
を引き出します。

「あたしの時(1990年)も、切られた子はいましたよ。その時も、父
兄会の要請もあって、自衛手段として集団下校はしたんです。けれど、
被害数の統計もとってくれなかったし、事実究明活動も行われなかっ
たようでした。それが今年に限っては被害が何件になって、調べた結
果詳細はこうで・・・等の詳しい調査が行われていると知ると、ひど
い話だと思ってしまう。対策を立てるなら、北朝鮮がどうだろうと関
係なく、日ごろからやっておくべきだと思います」

「いつも京浜東北線で通学していたんですけれど、ある時、赤羽から
二駅くらい通過したところで、友達の一人のチマが切られていること
に気がついたんです。切り方は、そうですね、乱切りって言えばいい
のかな? ズタズタにされていて・・・。怖かった。わずかの間に、
相手に気付かせずに、こんなにも見事に切れるものかと驚いてしまい
ました。
 その後、ちゃんと先生には報告したんですけれど、ホームルームの
時間に『みなさん、気をつけましょう』でおしまいでした。被害にあ
った子に何かしらケアをしてくれたという話も聞かないし、重要な問
題だから運動として取り組もうということにもなりませんでした」

「この記事、絶対おかしいですよ。朝鮮総聯の言いなりに書いている
としか思えませんわ。だって、124件や言うけれど、どういう基準でど
う調査したのかは皆目わからへん。それに、言うたら、そんなに『勇
気』のあるヤツがいてるんかな、と不思議ですわ。カミソリか何か持
って、女の子の後つけまわすなんて、リスクの高い行為ですやん。そ
の場で捕まったらしまいや。もしほんまに総聯や朝校に対して反感持
ってるヤツやったら、そんなセコいことせんと、もっと堂々とした手
段選ぶと思うわ。
(朝日が報じた床井茂弁護士のコメントに「背後に計画的なものがあ
るようだ」とあったことについて)
 ぼくもそう思うわ。ただし、逆の意味で、ですけどね」

 きむ・むい氏による、朝日新聞社会部記者の証言。

「チマ・チョゴリ事件報道のニュースソースは、朝鮮総聯です。私個
人としては、事件のカウントの仕方に疑問を持ってますけれども。124
件の中には、女子中学生がスカートに手を突っ込まれた、というよう
な事例も含まれているんです。これなどは『民族排外主義』というよ
りは『いわゆる痴漢行為』にあたるのではないか、と思っているんで
す。
 朝日新聞としては、朝鮮総聯の発表である、として記事にしたので
す。よく『警視庁発表によると・・・』の表記の記事を御覧になると
思いますが、基本的にはあれと同じなんです」

 要するに、朝日は「切り裂き事件」そのものを取材してニュースに
したのではなく、朝鮮総聯の発表を報道していた、ということですね。
「124件」という事件数も、報道が検証したものではなく、総聯の発表
のままに記事にしていたもの。それと警察への被害届との7倍の格差
は、総聯による誇張の結果作られた数字ではないか、と三
鷹は思います。きむ・むい氏はそこまでは書いてませんが。

 次に、きむ・むい氏は東京朝鮮高校を取材します。そこで、保管さ
れていた切り裂かれたチマ・チョゴリの現物を見ます。
 きむ・むい氏は学校側に質問します。

「ほとんど犯人が検挙されていない中で、どうして『民族排外主義的
な日本人の仕業』と断定できるのか」

 東京朝鮮学校の答えは以下の通り。

「私たちは同民族の犯行であってはならないし、あってほしくないと
思います。状況から見て、日本の方、と断定できます」

 これこそ、アカテンさん言うところの「あて推量で手前勝手な断定」
ではないでしょうか?

(つづく)



#2546/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 98/10/15 23:14 (157)
「チョゴリ切り裂き事件」検証の試み(2)    三鷹板吉
★内容

 最初に述べましたように、きむ・むい氏のルポは、「事件は総聯に
よるでっちあげ」と断言するものではありません。しかし、そう明言
こそしないものの、きむ・むい氏自身がそうした心証を強く抱いてい
たというのは確実だと三鷹は判断します。また、そう判断するに十分
な材料を、ルポのあちこちに散りばめている、とも。

 まず第一に、警察への被害届と総聯の主張とのギャップです。

 総聯が主張し、朝日が報道した被害数は「124件」。これは6月16日
の報道ですが、きむ・むい氏が警察庁に確認した7月11日現在の被害届
22件はその7分の1です。検挙されたのはわずか二人。その二人の動
機が「民族排外主義」だったのかは、報道では不明です。

 この二人のうち一人のケースは、94年6月9日の朝日報道によれば以
下の通りです。
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 「他人に無関心なのか。それとも、私がチマ・チョゴリを着た朝鮮
人だからだろうか」。東京朝鮮中高級学校高級部二年生のミカさん
(一六)=仮名=は、新学期が始まって間もない四月中旬、登校途中
の新宿駅の雑踏の中で、チマ・チョゴリが切り取られていたことに気
づいた。こぶし大の大きさで、下着までのぞいた自分の姿に、恥ずか
しさで立ちすくんだ。そのそばを乗降客が急ぎ足で通りすぎて行った。

 ミカさんはこの朝、東京都調布市の自宅を出て、電車の中で若い男
につきまとわれた。ある駅に着いた時、「朝鮮人め」という罵声(ば
せい)とともに、頭をこづかれてホームに押し出された。何か後ろで
「ブチブチ」と切れる音がしたようだったが、怖くて振り向けなかっ
たという。次の電車に乗り、新宿駅で気づくまでに約十五分あった。
 ミカさんは、穴の開いたチマ・チョゴリを前にたぐり寄せ、その上
をかばんで押さえて、学校の門をくぐった。同級生の顔を見ると、こ
らえ切れなくなった。
(中略)
 ミカさんが被害に遭ったのは、今度で三度目。昨年五月、新宿駅で
中年の男にいきなり、雑誌で頭をなぐられた。八月にはホームでカミ
ソリを持った男に横に立たれ、電車に飛び乗った。
 標的にされるチマ・チョゴリの制服について、見直しを訴える声も
出ている。ミカさんと同じ学校に娘が通う、ある母親(四五)は「チ
ョゴリの子たちは、民族の看板を背負わされている。政治に翻弄(ほ
んろう)されるようであってはならない。チョゴリにこだわらなくて
もいいのでは」と言う。
 ミカさんの母親(四七)も「早く制服を変えてほしい」と話す。五
月下旬、授業参観に訪れた父母たちから「毎日、無事に帰って来るか、
心配」という声があがった、という。
 切られたことをだれも教えてくれなかった新宿駅の出来事は、思い
出すだけでも胸が詰まる。しかし、ミカさんはチマ・チョゴリ姿の通
学を続ける。
 「私は日本生まれの四世だけれど、朝鮮の血が流れている。その民
族衣装は、私たちの誇り。悪いことをしたわけでもない。なぜ、脱が
なければいけないの」
 四月下旬、ミカさんは通学途中の電車で自分のチマ・チョゴリを切
った男(二三)を見つけた。付き添っていた教師らが乗り換え駅で男
を取り押さえ、警視庁成城署に器物損壊容疑で逮捕された。調布市内
に住む石材店従業員だった。取り調べで、男は、はっきりした動機を
話していないという。
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 犯人に対する憤りを感じざるを得ない記事です。とりわけ、切り裂
かれて穴の開いたチョゴリを隠して登校したが、同級生の顔を見たと
たんこらえ切れなくなった、とのくだりを読んで同情しない人間はい
ないでしょう。しかし、この記事をよく読むと、奇妙な点があります。

 「ミカさん」は過去1年で3回も被害にあってます。犯人は別々の
人間です。きむ・むい氏は朝鮮学校の女子生徒を、かなり多めに見積
もって2万5千人、としています。ずっと少なめに1万人としても、
「ミカさん」のケースが平均だとすると、1年で3万件もの「事件」
が発生していることになります。そんなことがあり得るのでしょうか?

 チマ・チョゴリ一般、もしくは朝校女生徒を標的とした嫌がらせと
は別に、「ミカさん」個人を標的とした組織的な襲撃がなされていた、
と考えるほうが自然だと思います。どのような組織なんでしょう? 
もう一つの可能性を考えるなら、事件は「ミカさん」の頭の中で発生
していた、ということにならざるを得ませんが、三鷹としては、そこ
までは言えませんね。

 この「石材店従業員」についての追跡報道はありません。記事を読
む限りにおいては、「ミカさん」の証言を根拠に、警察官ではなく朝
校教師によって取り押さえられてます。現行犯逮捕ではありませんし、
ハサミその他の、犯行に使用した道具を所持していたかどうかも分か
りません。

 もしも「民族排外主義」が動機とだったなら、朝日が報道しないは
ずはないと三鷹は思います。単なる変態だったのかもしれないし、あ
るいは「ミカさん」の誤認だったのかもしれません。

 もう一人については、朝日はまったく報道していません。犯人がは
たして日本人であるかどうかさえ、確認できません。

 他の20件の犯人についても、本当にあったのかどうかさえ判断でき
ない100件についても、犯人が総聯が主張するとおり、日本人であり、
動機が「民族排外主義」であるかどうかは確認されておりません。総
聯がそうと決めつけ、朝日がその決めつけを、そのまんま報道した、
というだけのことです。

 少なくとも、こうしたギャップについては、総聯によるでっちあげ、
とまでは言わずとも、誇張の証拠である、と言っても差し
支えないでしょう。

 また、新聞記事等には現れない、報道の現場の空気にも注目すべき
でしょう。事件を取材した記者から「疑問」が発せられ、「何だか不
自然だ」との感想をもらす人間がいるが、そうした感想は”進歩的”
記者により圧殺され、何も言えなくなるという報道現場の「空気」。
そうした空気支配の結果、総聯の主張に疑問を抱くような記事が新聞
紙面に掲載されなかった、と考えられます。

 きむ・むい氏がインタビューした朝鮮高校OGの発言も、よく考え
ると不可解です。北朝鮮のミサイルや核開発疑惑が報道されない時期
にも、チョゴリ切り裂き事件は発生していた、との証言です。これも
しかし、犯人が誰なのか、どういう動機なのかは不明です。

 総聯は被害数の統計も取らなかったし、究明活動も行わなかった。
なのに北朝鮮に不利な報道がされる時期に限って、「チョゴリ切り裂
き事件」が表面化し喧伝される。そうすることによって、「北朝鮮を
敵視する報道の結果、無辜の少女のチョゴリが切り裂かれる」とのイ
メージがもっとも効果的に演出される・・・そんなプロパガンダの方
法論が見え隠れするようです。

 一番不可解なのは、きむ・むい氏が東京朝鮮高校を取材した際に見
せられたと言う「切り裂かれたチマ・チョゴリ」の現物です。「これ
はひどいですね」と、きむ・むい氏は率直な感想を述べます。「夏物
の上着の襟には垢の汚れがあり、背中がザクリと切られている。チマ
はザクザクに切り裂かれている」との描写があります。「このチマ・
チョゴリを着ていた女の子は、どれだけの恐怖感を味わったことだろ
う」ときむ・むい氏は述べます。三鷹もまさしく同感です。

 しかし、このチマ・チョゴリが「チョゴリ切り裂き事件」の何より
もの証拠であるとするならば、実に不可解なこととしか言いようがあ
りません。

 切り口を調べればどのような刃物を使用したか分かるでしょうし、
犯人の指紋や、あるいは体液の類が付着しているかもしれません。ど
うしてそのような重大な物的証拠が、警察によって分析調査されずに、
朝鮮高校が保管しているのでしょうか?

 被害届が出されていない「切り裂き事件」の証拠だから、と推定さ
れます。ならば、なぜ、被害届が出されなかったのでしょうか?

 また、朝校以外に被害が一件も報告されていない、というのも不可
解です。チマ・チョゴリを着用した女性は、朝校の女子生徒以外にも
たくさんいます。三鷹は池袋東武の地下でよく買い物をしますが、そ
このキムチ売り場の売り子は、華やかなチマ・チョゴリを着用した韓
国人留学生です。東京に限っても、上野、浅草など、チョゴリ着用の
女性をよく目にする地域はいくつもあります。にもかかわらず、「切
り裂き事件」は一例も報告されていない。

 総聯/朝日が主張するように「民族排外主義の日本人による暴行」
だとしたら、朝校関係とそれ以外の「チョゴリ」について、どうして
このような極端なギャップが生じたのでしょうか?

 また、きむ・むい氏が書くように「金日成が死んだ途端、チマ・チ
ョゴリは切られなくなったらしい」理由ははたして何でしょう? 

 床井茂弁護士がコメントするように、「切り裂き事件」の背後に計
画的なものがあるとすれば、その計画の主体は、いかなる組織なんで
しょう?
(つづく)



#2547/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 98/10/15 23:15 ( 42)
「チョゴリ切り裂き事件」検証の試み(3)    三鷹板吉
★内容

 三鷹が現在、報道やルポを通じて得るに至った「事件像」は、以下
のようなものです。

1.94年以前から「切り裂き事件」は実際にあった。

 しかし、被害は「在日コリアン一般」「チマ・チョゴリ一般」では
なく、朝鮮総聯が組織する朝鮮学校の女生徒に限られていた。北朝鮮
報道がある時期も無い時期も、朝校女生徒を被害者とした事件は報告
されていたが、94年の「ノドン&核疑惑」報道など、北朝鮮に不利な
報道が行われる時期以外は、朝校当局=総聯は、事件の調査、統計等
の具体的対処をしていない。マスコミへのアピールも無い。事件の背
景に「組織」の存在が推定されるが、その正体は断定するに至ってい
ない。

2.マスコミ報道は実体の誇張だった。

 総聯によって、警察への被害届の7倍近くが「事件数」と喧伝され、
犯人は「日本人男性」、動機は「民族排外主義による」と決めつけら
れた。朝日の報道は、総聯の決めつけを無批判に増幅するものであり、
事件それ自体の調査報道では無かった。報道現場では、総聯&朝日の
スタンスに対し疑問の声が挙がったが、「空気支配」により圧殺され
ていた。

3.犯人(組織)と動機は確定されていない。

 犯人が日本人であること、動機が「民族排外主義」であるという確
証は無い。唯一報道された逮捕例についても、追跡報道はなされてい
ない。「組織」の正体も、断定されるに至っていない。

4.金日成死去とともに「切り裂き事件」報道は鳴りをひそめた。

 事件の背後に推定される「組織」の、政治的スタンスを暗示するよ
うに。その正体は、断定されるに至っていないが。

 ・・・三鷹が提示できる情報は、とりあえずここまでです。この
先は、しかし、ちょと踏み込みたくない次元ですね。もしも、こう
いうことを現に実行している「組織」に目をつけられたら・・・と
思うとね。

 正直言って、ちょと怖くなってます。


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