広島市が、廃止されたJR可部線の可部―旧河戸間(安佐北区)を電化で復活させる方針を固めたことが2日、分かった。2011年度着工に向け、当初予算案に関連経費を計上する。事業者となるJR西日本も11年度の早い時期に経営会議に諮り、事業化を最終判断する。実現すれば、JRが廃止路線を復活させる全国初のケースとなる。
市とJRは13年度までの完成を目指す。市は11年度当初予算案に実施設計と工事の関連経費を計上する方針を決めた。現在は、新設する駅の構造や市と国が大半を負担する工事費ついてJRと詰めの協議をしている。同社は「沿線住民の利便性向上のため、市など関係機関と協議を進め、できるだけ早い時期に合意したい」と説明している。
現在の終点である可部駅からの電化延伸は、旧河戸駅地区までの約2キロが対象となる。新駅は2カ所設置し、旧河戸駅周辺、可部駅との中間点を予定する。敷地は廃線敷を活用し、通信ケーブルなど不要な既存設備は撤去する。
JR西日本は10年12月、11年度の着工を想定した環境影響評価の実施計画書を市に提出。市は10年度、延伸区間の基本設計経費約5千万円を充てた。
市から委託を受けたJRが3月末までに測量結果など基本設計の一部を提出する予定だ。これを受け両者が合意に向けた最終協議をした上で、JRは幹部による経営会議に諮り、事業化するかどうか決断する。
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