【カイロ和田浩明】エジプト・カイロでは2日、ムバラク大統領の即時退陣を求めて市中心部タハリール広場に集まっていたデモ隊に大統領支持派が事実上の「攻撃」を仕掛け、流血の惨事となった。市中心部ではこん棒などを持った両派の数万人が入り乱れ、相手方を激しく殴打。路面からはがしたコンクリート片や石を投げ合い、血まみれの負傷者が仲間に抱えられ次々と後方へ運ばれている。市中心部では煙も上がっている。
AP通信によると、反政府側デモ隊約1万人が集結していたところに、大統領支持派約3000人が襲いかかった。馬やラクダに乗り、手にむちや棒を持って襲いかかった支持派もいたが、反政府側参加者に馬上から引きずり下ろされ、路上で激しく殴打された。
広場周辺には秩序維持のために国軍が展開していたが、衝突は防げなかった。一帯では時折、銃声が響き渡っており、兵士が事態沈静化のために空へ向けて発砲しているとの情報がある。
毎日新聞 2011年2月3日 0時55分(最終更新 2月3日 1時13分)