大相撲の放駒理事長(元大関魁傑)(62)は2日、緊急理事会後に両国国技館内で会見を行った。この日行われた八百長に関与した疑いの持たれる力士への事情聴取では全容解明に至らなかったが、放駒理事長は八百長の事実が判明した場合、野球賭博よりも罪が重いとし、関与した力士の「解雇」も辞さない方針を示した。
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協会の顧問弁護士とともに会見に臨んだ放駒理事長は、冒頭で陳謝の言葉を並べると、深々と頭を下げた。会見では、午後1時から行われた緊急理事会で八百長に関与した疑いの持たれる力士ら12人から事情聴取したことを明かし、八百長疑惑発覚に至るまでの経緯を説明した。
この日の調査では、最終的な確証を得ることが出来なかったが、今後の調査で八百長の事実が判明した場合に関して放駒理事長は「厳罰でしょうね。軽い罪ではない。もし仮にそういう事実が判明したら厳しく処分していく」と、関与した力士の「解雇」も辞さない構えを示した。
昨年発覚した野球賭博では、元大関琴光喜と大嶽親方(元関脇貴闘力)らが解雇処分を受けた。世間を巻き込んでの大騒動となった野球賭博問題と比較し「危機感は野球賭博よりも重いのか」との問いに、放駒理事長は「そう考えてます」と答え、事の重大さをうかがわせた。
これまで協会は週刊誌などの八百長報道を一貫して否定し、「無気力相撲」と「八百長」とは異なるものだという見解を示してきた。だが、会見で「無気力相撲」と「八百長」の相違の認識を問われた放駒理事長は「私はある意味イコールだと思ってますから」と言及した。
メールに名前が挙がった13人をはじめとし、今後は十両以上の上位力士を重点的に、序ノ口からの全力士を対象に取り調べを行っていく。「今回の問題は相撲界の根幹を揺るがす問題ですから、徹底的に原因解明というか調査します」と決意の言葉を口にした。