大雪:鳥取県内で小型漁船約200隻沈没

2011年1月2日 18時40分 更新:1月2日 22時10分

大雪の影響で浸水被害にあった漁船「第三海裕丸」=鳥取県境港市の境港で2011年1月1日(境海上保安部提供)
大雪の影響で浸水被害にあった漁船「第三海裕丸」=鳥取県境港市の境港で2011年1月1日(境海上保安部提供)

 山陰地方で大みそかから1日にかけて降った記録的大雪の影響で、鳥取県内では、日本海沿いを走る国道で車約1000台が42時間立ち往生したりJRの特急など18本が最大34時間も動けなくなるなどしたほか、係留中の小型漁船約200隻が沈没、停電も発生した。島根県内でも集落が孤立するなどした。

 鳥取県大山町の国道9号で31日午後2時ごろ、タンクローリーがスリップして上下線をふさいだ。事故処理中にも雪が積もり、他の車も動けなくなり、渋滞は最大で約25キロ、1000台に達した。帰省中の家族連れも多く、少なくとも約2000人が巻き込まれたとみられ、2人が体調を崩して病院に運ばれたが、いずれも軽症という。動けなくなった車の撤去作業は2日午前8時半ごろ完了し通行止めが解除され、渋滞は約42時間ぶりに解消した。

 JR西日本によると、JR山陰線や伯備線で列車17本が駅で立ち往生。大山町の山陰線・下市-御来屋(みくりや)間では、31日午後4時15分ごろ、特急スーパーおき5号が運転不能になった。救助のラッセル車も脱線し、バスでの振り替え輸送も雪で難航。2日未明、約34時間ぶりに運転を再開し、午前4時10分ごろ、米子市の米子駅に到着した。18本で計1200人が車中泊した。

 また、鳥取県によると、境港市の境港や米子市の米子港など県西部の港では、雪の重みで係留していた小型漁船189隻(10トン未満)が沈み、さらに境港の漁船(19トン)など2隻が浸水しているのが見つかった。けが人はないという。湯梨浜町の泊漁港では1隻から燃料油が流出し、オイルフェンスを張って汚染を防いでいる。

 中国電力によると、1日未明に米子市和田町で送電鉄塔が積雪で破損するなどし、鳥取県内で延べ12万6000戸が停電。2日午後になっても米子市や境港市などの約1700戸で停電が続いた。

 島根県によると、2日午後3時40分現在、松江市美保関町雲津など5カ所で約150世帯が雪のために孤立。陸上自衛隊出雲駐屯地の隊員らが除雪作業にあたった。中国電力によると、島根県でも延べ8万戸が停電した。【田中将隆、加藤結花、五十嵐朋子、宮川佐知子】

top

PR情報

アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド