米国:FTA交渉で韓国と合意 自動車・牛肉歩み寄り

2010年12月4日 11時26分 更新:12月4日 12時35分

 【ワシントン斉藤信宏、ソウル西脇真一】米政府は3日、米韓両国が自由貿易協定(FTA)の批准手続きに向けた交渉で合意したと発表した。懸案だった自動車や牛肉分野で双方が歩み寄った。米ホワイトハウスによると、工業製品や消費財で関税の95%以上を5年以内に撤廃する。両政府は今後、来年の早期のFTA発効を目指し、議会での批准手続きを加速させる方針。

 発効すれば、米国にとっては94年発効のカナダ、メキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)以来の大型FTA。米国の自動車や家電市場などで韓国勢と激しいシェア争いをする日本の輸出産業に大きな打撃となる。

 11月30日からの閣僚級協議で、韓国側は米国による韓国製自動車に対する関税撤廃時期に一定の猶予期間を認め、当初の「即時撤廃」から譲歩。一方、米国は米国産牛肉の韓国への輸出について月齢制限撤廃を合意に盛り込まないなど韓国側に配慮した。

 オバマ米大統領は3日、「画期的な合意。5年間で米国の輸出を倍増させる政府目標への大きな一歩だ」と歓迎声明を発表。韓国の李明博イ(ミョンバク)大統領も4日「輸出が大きく伸び、経済は再び飛躍する機会を迎える」との声明文を出した。

 米韓FTAは07年4月に両国政府間でいったん合意した。しかし、自動車や牛肉分野をめぐり、米国内で「韓国の市場開放が不十分」「米新車市場が韓国車に席巻される」と批判が噴出。議会での批准手続きが進まず、オバマ米政権は韓国政府と修正協議をしていた。11月の米韓首脳会談で合意を目指したが、溝が埋まらず、閣僚級協議を続けていた。

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