強風：台風並みの低気圧の影響　季節外れの暑さも

１２月とは思えない陽気に上着を脱いで歩く人たち＝東京・銀座で２０１０年１２月３日午後１時３８分、佐々木順一撮影

　日本海上で台風並みに発達した低気圧の影響で、全国的に大荒れとなった日本列島は３日、各地で強風による被害が相次いだ。一方で低気圧や前線が通過した東日本では南から暖かい空気が流れ込み、季節外れの暑さに見舞われた。

　東京都北区西ケ原の工事現場で午後２時ごろ、現場と歩道を区切る金網のフェンス（高さ約２メートル、幅約５０メートル）が強風にあおられて倒れ、歩道を歩いていた３歳と６歳の男児を含む男女計５人が頭や腕に軽傷を負った。近くに住む主婦（７０）は「下校時間だったらもっと被害が大きくなっていただろう」と話した。

　新潟市中央区の県立新潟江南高校では同３時４０分ごろ、突風で教室などの窓ガラス約１００枚が割れ、生徒７人が頭や手足などに軽傷を負った。新潟地方気象台によると、同区では当時、最大瞬間風速２４メートルを観測していた。

　このほか、午前８時ごろには神奈川県藤沢市で住宅の瓦約５０枚が上空に巻き上げられ、付近のマンションなどに落下。３１軒の屋根や窓ガラスを破損した。同県鎌倉市でも住宅や社寺１５軒の瓦がはがれ落ち、千葉県柏市若柴の柏市公設総合地方卸売市場では青果棟の屋根が長さ６３メートル、幅１３．５メートルにわたってめくれ上がった。いずれもけが人はなかった。

　気象庁によると、関東地方を中心に最高気温が平年を１０度ほど上回り、東京都心の最高気温は１２月としては１８７５年の統計開始以来２番目に高い２３．７度まで上昇。このほか▽さいたま市２２．９度▽東京都青梅市２３．３度▽横浜市２３．０度－－を観測するなど、各地で９月下旬から１０月上旬並みの暑さになった。

　４、５日は平年並みの気温に戻り、来週になると、東日本や西日本にも強い寒気が入り、冬らしい寒さになるという。【飯田和樹、馬場直子、吉野正浩、畠山哲郎】