こりゃあかん!菅内閣、鳩山上回るペースで支持率急降下

2010.07.05


 菅首相の七夕の願いは「みんなが元気で幸せに!」=4日午後、横浜市(代表撮影)【拡大】

 参院選7・11まで1週間を切るなか、菅内閣の支持率が急落した。発足当時60%あったのに、朝日新聞(5日付朝刊)は39%、読売新聞(同)は45%となり、これは史上最速ペースで支持率が下落した鳩山政権よりもすさまじい。菅直人首相(63)の消費税増税発言と、その後のブレなどが影響したとみられ、民主党は火消しに躍起になっている。

 朝日新聞が3、4の両日実施した世論調査では、菅内閣の支持率は1週間前の48%から39%に急落。不支持率は同29%から40%に激増し、不支持が支持を逆転した。

 読売新聞による2−4日の調査では、支持率は45%(前回比5ポイント減)、不支持率は39%(同2ポイント増)。テレビ局の世論調査でもフジテレビが43・6%(同10・7ポイント減)、日本テレビが52・6%(15・4ポイント減)、テレビ朝日が40・9%(4・4ポイント減)と、同様の傾向を示した。

 6月上旬の発足時の支持率は朝日60%、読売は64%だっただけに、1カ月で20ポイント前後を失ったことになる。朝日では、迷走を繰り返した鳩山政権ですら30%台になるまで5カ月かかっており、異常ともいえるペースだ。

 ある民主党の参院選候補者は「せっかくV字回復したのに、消費税発言が痛かった。首相発言がブレているし、子ども手当の金額も間違え、有権者が菅首相に不信感を持ち始めている」と危機感をあらわにする。

 例えば、消費税増税では税率はもとより、批判が強まると低所得者対策のために消費税還付を行うべきとの考えを唐突に示唆。しかも、対象となる年収額を「300万円」や「400万円」などと二転三転させている。さらに、子ども手当の支給額についても「1万5000円」や「1万6000円」など、国の財布を預かる財務相経験者とは思えない金額間違いを連発した。

 こうしたことへの追及を避けるためか、4日に行われたフジテレビとNHKの党首討論では、菅首相は野党の政策を問いただす異例の「逆質問」を連発した。

 自民・公明両党に「巨額の財政赤字の中には無駄な歳出があったという反省はないのか」など過去の追及に力を入れたうえ、マスコミも批判し、野党時代の攻撃性を発揮し、批判をかわす戦略に出たのだ。さらに、番組の最後に参院選の争点について「安定か混乱かだ」と述べ「消費税」を消そうとした。

 一方、極力メディアへの出演や答弁を避ける姿勢は相変わらず。同日のテレビ朝日の番組には民主党を除く主要6党の党首が参加したが、民主党からは枝野幸男幹事長(46)が出席した。

 みんなの党の渡辺喜美代表(58)は番組内で菅首相の姿勢を痛烈にこう皮肉った。

 「こんな党首討論、前代未聞だ。党首じゃない人が来ているんだから。首相は野党時代、『イラ菅』と言われた。首相になったら『逃げ菅』だ。『イラ菅、逃げ菅、こりゃあかん』だ」

 

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