2010年12月3日 18時19分 更新:12月3日 22時8分
【カンクン(メキシコ)足立旬子】2010年の地球の平均気温は観測開始以来、最も高くなる可能性があると、世界気象機関(WMO)が2日、発表した。カンクンで開かれている国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)で、WMOは「温室効果ガスの排出増がなければこのような上昇はない」と語り、各国に早急に地球温暖化対策に取り組むよう呼びかけた。
1~10月の平均気温は14.55度で、過去最高だった98年の14.53度を上回った。10年ごとの比較でも01~10年が最も高かった。現在、11月以降のデータを調べているが、簡易分析でも高い傾向が続いている。このため、WMOは年間の気温も「1850年に温度計による記録が始まって以来、少なくとも3位以内に入る」としている。
地域別では、特に北極圏のグリーンランドとカナダが突出し、一部で平年より3度以上高い。熱波に襲われたモスクワの7月の気温は平年より7.6度高く、同月29日に38.2度を記録してから30度超の日が1カ月続いた。アルジェリア北部では2月に36度を記録するなど世界各地で最高気温を更新した。
国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は07年の報告書で、現在の気温上昇傾向が続くと、大雨や干ばつなど極端な現象が増えると予測している。今年はアジアのモンスーン地域を中心に大雨による洪水が発生し、南米アマゾンは干ばつになった。