東京・渋谷区の大手百貨店で先月から開かれていた「サブカルチャー」と呼ばれる斬新なアートを紹介する作品展を巡って、「内容が百貨店にそぐわない」といった苦情が複数の客から寄せられたことを理由に、会期途中の1日で中止になっていたことが分かりました。
中止になったのは、東京・渋谷区の西武渋谷店にある美術画廊で先月25日から開かれていた「SHIBU Culture~デパート de サブカル~」と題した作品展です。この作品展は、既存の枠組みに収まらない「サブカルチャー」と呼ばれる分野の芸術作品を広く紹介しようと、国内の20人余りの作家が手がけた絵画や、人形などの立体作品およそ100点が展示されていました。しかし、百貨店によりますと、開催後、「展示の内容が百貨店にそぐわない」といった内容の苦情が複数の客から寄せられたということです。作品展は、今月6日まで開催する予定でしたが、苦情を理由に、百貨店では1日に作品展を中止しました。大手百貨店の画廊で開かれた展示会が、客からの苦情を理由に中止となるのは異例のことです。百貨店では、苦情の具体的な内容や件数は明らかにしていませんが、いずれも個人からのもので、特定の団体などからのものではないということです。西武渋谷店の美術画廊でサブカルチャーの本格的な作品展を開くのは初めてだったということで、画廊の担当者は「渋谷という場所柄、若い才能を紹介して、画廊を訪れる人のすそ野を広げたいと企画を考えましたが、このようなことになって残念です」と話しています。