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[政治]ニュース トピック:産経抄
【産経抄】2月1日
2011.2.2 02:20
日曜の夜に着くはずだった特急が、大雪に行く手を阻まれて大阪駅にすべりこんだのは、火曜の午前4時半だった。乗客は狭い座席で2泊せざるを得なかったが、鉄道愛好家の小欄でさえ想像しただけでうんざりする。
▼乗客たちはいつともしれぬ運転再開を辛抱強く待ち、足止めされた駅では地元の人々が炊き出しをかってでた。やっとのことで終着駅に着いた車内には、子供の字で「がんばってくれてありがとう。おしごとがんばってください みんなより」と書かれた手紙が窓に貼り付けられていたという。
▼夜を徹して乗客の世話をし、除雪にあたった鉄道マンには何よりの贈り物だったことだろう。自らの職務に忠実で優しく、忍耐強い人々が大多数のこの国は、まだまだ捨てたもんじゃない。
▼市井の人々の気高さにひきかえ、政治家のレベルの低さはどうしようもない。政治資金規正法違反で起訴された小沢一郎被告は、検察審査会の議決による起訴を「捜査機関による起訴とは異質なものだ」と開き直った。
▼一般人の判断を重視しようと検察審査会の権限強化が盛り込まれた法案は、7年前に民主党も賛成して成立している。検察による起訴も指定弁護士による起訴も起訴には変わりない。立法に携わる国会議員が、賛成した法案の施行後に難癖をつけるのは、自らの不勉強と職務怠慢を天下にさらすようなものだ。
▼菅直人首相も相変わらず情けない。被告の身となり、「国会で説明せよ」という上司の命令に従わない一兵卒に強制離党をはじめ厳しい処分を下すのが筋だが、なんとも煮え切らない。「がんばってくれてありがとう」と子供たちから感謝される政治家はこの国にいそうにない。
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